ゆううつ/由比良 倖
菊西 夕座さんのコメント
「海」に倦みが掛っているとは思いませんが、全体のトーンは沈んでいますね。

>靴の数よりも多くの死が歩いていた、
ここはもっとも目を引く表現でした。

未来にタイプライターがあり、私が時計を逆回ししたというのも意味深げではありますが、外皮はあるが果肉がないといった印象を持ちました。

>公園に瓶を貼った、
 このあたりの荒業を楽しむべきなのでしょうが、この凄まじい時空のゆがみにどうしがみつけばよいものやら、足がかりが私には乏しく感じられました。

>それから何人首をかけても壊れない金属、
 この強固な終末感! この金属が「私」の胸に突き刺さってしまっているのでしたら、本当に胸がいたみます。