密度流/ホロウ・シカエルボク朧月夜さんのコメント
世界との対決はどんな人にとっても重要な課題だと思われるのですが、この詩の話者にとってはその課題が最大公約数的に要約された課題で、具体的に憎む対象が出てこない、というのがもったいなく感じます。今の時代、あちこちに喧嘩を売っていては身を滅ぼしかねないのは仕方のないことなのですが、それであれば「架空の世界で架空の対象に喧嘩を売る」という豪気さがあっても良かったのかなという感じはします。少なくとも、ひところのホロウ・シカエルボクさんの詩のように「批判されているのはわたしかな?」という戦慄がなく、その点がもったいないと感じます。誤解を生みたくないのですが、これも成熟のひとつの形であれば是です。