一凝視のこころみ/菊西 夕座
由木名緒美さんのコメント
仰いだ空を
突き刺さる雨を
乾いた空を
満天の夜を
孤高の影は
忍び寄る死を
輪廻の命の泡の間に
悦びなくして
なにを悲しむのだろう
生きることは
粋意希息いき生きること
願うことは
恋孤悲請い鯉登ること
わずかな灯りを灯して
灯火を針に貫いて
黄金布をなびかせて下さい
いつか見た滝壺に轟いた
あの神髄の吟のように