そうか 君が/短角牛菊西 夕座さんのコメント
こうして順をおって見ると、寂しさのなかにも「楽しさ」、「やすらぎ」、「安心」が含まれているようで、「寂しさ」が単にさびしいだけではないという、どこか救いにもチュールような、ではなく通じるような不思議な感興を覚えさせてくれます。
井戸の底に垂れた「寂しさ」というロープの反対側の先には、チュールがまきつけてあると考えるだけで、それはチュールのほほえましい柔らかさとどこかでチューじているような、安心感と決して無縁でないような、そういった救いといいますか、同じ血が通っているという温もりを抱けそうですね。
通常はその対照が寂しさを際立たせるはずなのですが、各連でそうした対照をことごとく不問にふしているため、この詩では不思議と寂しさが和らげられている気がします。これが詩の成せる技なのだと思います。