陽の埋葬/田中宏輔
アラガイsさんのコメント

雨の日にはじめてデートをした。そして雨の日に別れた思い出もある。お馴染みの曲が流れていたあの頃。クリスマスプレゼントを手に喫茶店で一時間くらいねばって待っていました。でも恋人はとうとう現れなかった。その日の午後からはちらちらと小雪が降ってきて、ちょうどドラマのようなクリスマスの別れになりました。私は泣いていたのか。季節はずれの鳶も泣いている。今から想うと笑えるくらい、既に失恋していたのでした。