ブルームーンの流れる河/中田満帆
アラガイsさんのコメント

ブルームーンと横文字で囁かれたなら、先ずは誰かを思慕する刹那でロマンチックな光景が浮かびあがり、メルヘンな世界観を醸し出します。これがご承知のようにスタンダードな曲として聴いてしまえばけっこう軽めのアップテンポでさらりと流れたりもする。日本人である私にはやはりブルームーンと呼ばれるよりも(青い満月の夜)とされたほうがイメージするには容易い。それは同じメルヘンでも、より暗く寂しい一人きりの月夜を思い浮かべるからですが、同じ青い月夜でもやはり原曲を書いた大陸の米国人と日本人の感受性の違いを意識したりもしますね。
読めば一人の青い月夜の光の中で、一人の女性と花が幻と消えていく、その様が光景として浮かびます。脈々と水を流れる花びらはブルームーンと呼ばれる青い薔薇。青い薔薇の花言葉は叶わない夢から奇跡を呼び起こす希望へとも変更されている。昔は青い薔薇は不可能な色とされていたんですね。
この詩は比喩的にも遠い解釈の扱いが多く奇抜です。しかも非常に日本的な薄暗さ。そして情念に流れる青い薔薇と月夜をイメージしたりもします。なので私にはここに登場する一人の女性は、自身に脈々流れ引き継がれていく青い血脈。断ち切れない思いに翻弄され流されてきた過去と夢にみる未来への希望。つまり母親に対しての思慕だったりもする。と解釈してイメージしたりもします。いいですね。深くて刹那で、最近では一番感動を覚える詩です。


---2021/04/01 14:53追記---

---2021/04/01 15:16追記---