手/帆場蔵人石村さんのコメント
「手」の存在感、イメージ、さらには人間の「業」という観念を喚起するその動かし方が非常に印象的です。五・七の音律で一貫している中で「手の群れよ、手をひらく」の破調でつっかえたのですが。これは「手」というメインのモチーフに読み手の意識を向ける効果を意図したものか、と見ました。逆に、読み手がそのように「理屈」で読み始めた時点で、詩行として成功とはいえないとも思います。この行が有無を言わさぬ力で「手」をありありと浮かび上がらせるまで、さらに凝縮させる余地があるかもしれません。