耳鳴りの羽音/帆場蔵人
石村さんのコメント
全編を通じて、ある「音」の存在感が通奏低音として効いているのが印象的です。
>一輪挿しにはまぼろしですら
>花は咲かない、からの磁器は耳を吸いつけ
>羽音は吸い込まれ、耳鳴りだけが返される
特にこの一節は素晴らしいと思いました。
私見ですが「音」をモチーフとして全体を統合・結晶させていたら、さらに完成度の高い作品になったのでは、とも。