煙突と月見うどん/nonya夏美かをるさんのコメント
nonyaさんの新作、待ち焦がれておりました。読めてとても嬉しいです。そして相変わらず素晴らしい。デパートの屋上というと母とのお出かけの思い出があります。我が家にとってデパートは休日に家族で出かけるという場所ではなく、平日に母が気分転換でもしたかったのか、お歳暮でも買いに出かけたのか、とにかく母とのお出かけは常にデパートだったような。デパートに行くといつも、屋上の小さな遊園地で遊ばせてくれて、そう、アメリカンドッグにケチャップとマスタードをどっさりかけて食べた懐かしい思い出が蘇りました。(いつもフランクフルトとどっちにするか迷うんですが、お得感でアメリカンドッグを注文していました。)そんなデパートの屋上も様変わりしてしまったようですね。月見うどんの黄身を壊してしまった時の動揺を微笑ましく思いながら、月日とともに変わり続ける周りの景色とそして自分自身も変わっていっていることを思わぬ形で発見した時の心情を読み取りました。うつろいゆく時間の中にあって、古代エジプト時代から建ち続けているような印象を与えるオベリスクが意味するものとの対比もお見事と思いました。ラストの墓標は過去の大切な思い出に対するモニュメントでしょうか?