六月回廊/ただのみきや
Lucyさんのコメント
私はこの詩がとても好きです。
特に
「交じり 滲む
  かぜ ひかり みどり」
のところまで読んで、深層心理の裏側の粘膜に触れられたような切なさに胸が締め付けられました。
言葉ではない言葉によって、伝えられるもの・・それが詩なのではないかと思います。
まばゆい光と色彩を感じたところで
>乾くことのない油絵

そして

>少年は去った
>他の子供たちと一緒に 
>騒ぎながら自分の絵の中へ

と続き、

>時間に立ち返るわたしも
>傾いた光の額縁へ

と、イメージが比喩のまま結晶する美しさに呻りました。
確かに絵画としては具象なのかもしれませんが、
描かれているものは抽象へと果てしなく広がる奥行きを持つ。
それが詩なのではないかと、この詩を読んでそう思いました。