職人とブタ/オダ カズヒコアラガイsさんのコメント
おもしろいですね。豚の物語と言えば古くはディズニーアニメで有名な「三匹の子豚」から「ベイブ」まで。また日本では「虹の豚」なんて作品もありましたが、もっとシニカルな作品を挙げたらキリがない。例えば今村昌平の「豚と軍艦」をはじめ洋画の「豚と天国」なんて題名の作品も観てはいますが、今日では扱われる寓意性も段々と変わってきている様子です。ここに描かれているぬいぐるみのお喋り豚くんはどうやら私のようでもあるし、つまり同じように飼い慣らされ食べられる目的に向かうだけで、自身生きる価値を謀ろうとも知ろうともしないぐうたらで、ヤル気もシヌ気もなく生きているその意味さえもわからないのに何故か生きている豚くんにも、今では自らを抹殺する権利も有れば食肉工場へ向かう以外にその目的を決定する自由は、ちょっとした知恵に目覚めさえすれば起こり得ることにもなるのです。一昔前に生きた肥満体で放漫で傲慢でもあるロマン的な卑しい豚くんとはイメージも違ってきて、欺瞞と我慢と飽満に身を包んだ言葉尻だけ自由で欲も無いや〇マン一色の豚くんになってきている様子です。