閉経/そらの珊瑚乾 加津也さんのコメント
---2014/02/05 12:05追記---
ポイントなしのコメントが深くて誘われました
後で書きます、お待ちください 笑)
---2014/02/06 22:38追記---
はっとさせられる、最も印象的なフレーズは出だしに置かれた
黒いアイリスは
男の喪に服した女だ
服する、といいながらこの二行には弱々しさの欠片もない、むしろ清々しいほどの潔さをにじませるが、この潔さが最後の「愛に殉じた女である」に確実に手渡されている
途中、(触発された)媒体に言及するも、決して絵画を説明(解説)しているわけではない
儚さは幻想というのも直裁ではあるし、画家の技法や視座について作者の思うところに触れてもいるが、この意図は次の連に輪郭を与える効果を担う
行間に流れる重みによっても、これはすでに(実推敲や意識下の別を問わず)かなり削がれた“深耕の”作品だと思われた
作者の五感から深耕して現れた一縷の光。このできるだけ的確な提示が作品の目指すところであり、一極集中、他の要素はどんどん捨てられてゆく、それらは深耕の到達地点を鈍らせる雑念になる
だが作品に拡散(開放?言葉の明るさ)を求める読者からすれば、深耕は逆の手法であって息が詰まることもある、もっと言葉がほしいと感じるかもしれない、しかし円熟の渋みや幽谷に流れる絹のような濃霧は深耕でしか味わえない醍醐味だろう
平易な言葉の作品ながら、黒いアイリスの恥じらいもない炎のような愛の謳歌は、羞恥の人間には及びもしない黒い魂に共鳴した、画家と作者に重ねあう眼差しであり、エロスの奥にみなぎる命(泉)にまで、読み手を導くようでもある
とか、書いてみました。独断と偏見はお許しを。