おいでよ、虫食いの予感 (かしゃ、かしゃ、ずるる)/ホロウ・シカエルボク
アラガイsさんのコメント
影を喰らい続ける一匹の豚がいる。喰らい続けてはすぐに吐き出しまた喰らう。吐き出した奴の悪臭は庭木を通り抜け、おまけに絶命するようなカン高い鳴き声に俺はいつも怯えていた。陽を浴びて庭の雑草が不揃いに伸びている。おかげで部屋の中は薄暗いままだ 。豚は満足そうに眠っていた。腹を脹らませ細い目を閉じているだけかもしれない。仕方なく肩幅だけ道草を刈ると、風に乗って忍び込んでくる。ある時あまりの臭さに耐えきれず、俺は奴のお腹を蹴りあげた。ブヒー ヒー と豚は泣きながら逃げて行った 。

それからしばらくして雑草は昆布のように枯れた 。強い陽射しは土を乾かせる。ひび割れた底から塩の塊が吹き出してきて、何かがきらめいた。揺りかごの響き。垣根の外には艶々しい痩せた二匹の豚が仲良く歩いていた 。

※追記ブヒ^^