借りた詩集 西條 八十全集/ふるる
ふるるさんのコメント
古月さん
そうだったんですか!忘れられがちな詩人と思っていたので、ほっとしました。
金子みすゞも影響を受けまくっています。

鵜飼千代子さん
「トミノの地獄」については、全集第一巻の最後に、島田謹二著の『砂金』論があり、島田氏はその中で作品を高く評価しています。曰く、「これは日本人のうたいものの典型であります。声をあげてよめば明らかのように、伝統的な民間俗説的な想念と表現とが骨格を作っています。」「まことに不思議な和洋混淆のたくみさ!」「ことに最後の二行は、余韻ながくひいて、いつまでも思いにのこります。こういうのがいつの世にも日本人に訴える謡いものなのではないでしょうか。」と。
氏の解釈によれば、この詩は「ごくありふれた、それでいてどうにも仕方がない人間の世の、ことに女人の哀れがうたごえとなって」というものです。この作品に気持ち悪さを感じるのは、女性の味わう地獄というものから目を逸らしたいという心理が働くのかもしれません。
また、昨日西條八十の研究書『西條八十』筒井清忠著 を借りてきたのですが、西條八十は作詞家として成功していたので、詩壇からは嫉妬され、その功績は正しく評価されずにこれまできた、というようなことが書かれていました。(2005年発行のこの書籍が、唯一本格的な研究・評伝書だそうです)トミノの都市伝説も、西條八十の詩、歌謡曲がどれほど庶民に愛され、影響を与え続けたか、ということを隠す、あるいは嫉妬のあまりの口さがないデマ、あたりが出所なのかも、と思いました。
筒井氏の文を引用いたします。
「そして本格的な研究的伝記も刊行されていないことがわかってきた。こうして、段々と私には、西條八十のおかれてきた状況が見えるようになってきたのである。歌謡曲の作詞家という“一段低い所に落ちていった人”だから、詩人としては取り扱わない、評価しない、というような何か“敵意”か“蔑視”のようなものに八十は覆われていたのである。」


個人的には、トミノの都市伝説は、言霊という日本古来の言葉への畏れ、言葉を大切にする価値観が現代に移植されたもの、と解釈しています。
つまり、「滅多なことは言ってはいけない。」という。
また、そう思わせる凄みが、技術が、この作品にはある、ということの証明でしょう。
---2010/06/10 13:47追記---
たまさん
こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます♪
---2010/06/10 14:24追記---
ヨルノテガムさん
まあ、ヨルノテガムさん♪はい、いっつも好きなように書いております。
西條八十のような華麗なる言葉の装飾やリズム、か弱きものへの優しいまなざしを、我々はどこで落としてきてしまったのか、と不思議でなりません。
映画も、現代の表現を考える時は欠かせない題材ですね。是非読んでみたいです!
---2010/06/10 15:15追記---

多次元梟さん
芒の唄も、胸の孔雀も、よい詩ですね。暗唱できるほどとは、相思相愛ですね。
大切な詩人のことを勝手に書かせていただきましたが、ご不満な点があればおっしゃってください。