眷恋華/朱雀
朱雀さんのコメント
*ARIES*さん ポイントをありがとうございます。

深千夜さん ポイントをありがとうございます。

孤蓬さん 丁寧なご指摘ありがとうございます。

まずこの詩はイメージとして白黒の写真にところどころ彩色した昔のポストカードのような感じにしたかったんです。

で、詩の中の文語の部分が色づいているイメージで、実は「戀しらに・指折りかき数ふれば・思ひ乱れて寝ぬる夜の」以外は全部口語で表現したかったんです。
ただもうひとつのイメージとして手鞠唄のような…というのがあって、七・五調のリズムと一つの節が「つらつら椿」で始まって「花の○」で終わるというこだわりもありました。

そうしたら思いを乗せる言葉が口語でなかなか見つけられず、かなり文語に頼ってしまいました。
ちょっと色塗りすぎ〜って感じですね。(笑)

特に「にわたずみ」は一番悩んだところで「水たまり」でもよかったんですが、水たまりだと太陽に照らされ乾いて消えるイメージがあり、どこかに流れてゆく感じを残したくて「にわたずみ」にしました。
また最初は漢字を使おうと思ったのですが「潦・行潦・庭水」のどれもしっくりこなくて結局仮名に…
孤蓬さんの仰るように歴史的仮名遣の「にはたづみ」の方が良いのでしょうが、ちょっとでも「色」を薄めたくて現代仮名遣という悪あがきです。

「香」についても「かおり」や「か」ではなく、リズムを壊さずに「こう」と読んで欲しかったのでルビをふったのですが、同様にルビをふった「紅」は歴史的仮名遣にしているので、どちらかに統一した方がいいのかなとちょっと迷ってます。

また「戀」についてはこの一文字で恋しさを出来るだけ強調したかったので「いとしいとしと言う心」を連想させる「戀」をあえて使いました。

それからどちらかというとこの詩はイラストとあわせてひとつの作品と捉えて頂きたいと思っています。
イラストと詩で物語の一場面という感じなんです。

まだ成熟しきらない女性の夢見がちな空想は無限に広がり、たとえば庭の椿が花を落とすのを見ていると、まるで砂糖菓子のような自分の恋が「椿姫」のような悲しく切ない恋と同化してしまいます。
本人はすっかりヴィオレッタになりきって歌など歌っているのですが、それも束の間のことで部屋の中から「お茶の用意ができましたよ」という声が掛かったりするとあっという間に現実に戻ってしまうんです。(笑)

そんな彼女が歌っている歌が「眷恋華」で、最初にも書きましたが昔のポストカードのようなあまやかなフェイク感を一番出したかったんです。(決して本当の高級娼婦の切ない恋歌ではないので…)
彩色しすぎて撃沈している気がしないでもありませんが…(笑)

毎度のことながら朱雀の妄想炸裂詩でございました。(爆)