空中ブランコ/銀猫
服部 剛さんのコメント



   今迄の銀猫さんの基本路線は 
   日本人らしい優れた四季の叙情と切なさでしたが、 
   この詩のように「 魂の回復 」
   ( あるいは現代の病と共に歩む日々 ) 
   というテーマで詩を書いてゆくと 
   作品としてとても価値のある題材と思い、 
   読んでいてとても好印象な詩の世界でした。 

   僕の感想が必ずしも正しくはないのですが、 
   前半から中盤にかけて?内容はとてもいいのですが、 
   やや語り(書き)すぎな気もしました。 

   後半の方は「空中ブランコで宙に浮いた自分」を 
   ありのままに描けていますが、 
   >豆の木が空に届くまで 
   というあたりにやや詩の言葉としての弱さを感じました。 

   宙に浮いたままを描く詩の世界もいいいのですが、 
   もし、より優れた詩の世界を読者に焼きつけるなら、 
   「宙に浮いたまま」を描きながらも 
   それだけに終わらぬ( 何か )を詩に封じ込めることで、 
   読者はこころを射抜かれるような、 
   そんな可能性をこの詩から感じました。 

   銀猫さんが新たな詩の世界を
   じっくりと切り開いてゆくのを 
   声援を贈りながら、
   密かに楽しみにしています。