海にも道があるよ
みえないだけで
空にも道があるよ
しらないだけで
そこを渡っていく者がいたよ
こちらと
むこうをつなぐ
透きとおった
{ルビ間=あわい}、で
「どこかにいきたい」と
ふいにあなたはいった
ぼくは
「どこにいきたいの」と
あたりまえのようにきいた
「やさしさのあるところ」と
さびしそうにあなたはいった
ぼくは
「こ ....
たとえば
雨の音で目が覚めて
カーテン越しのグレーの光に
唾を飲んで
身体をこわばらせる
それが世界だ
背中に貼り付いた憂鬱を
引き剥がすように
歯を食いし ....
この世が終わっても
私は 終わらなくて
途方に暮れて
あなたを みたら
眼に涙を滲ませ
終わり と言えないでいる
どうして 他人のあなたが
私達のために 泣くの
言えば 言 ....
ひらがなはあの人の特権
あの人はどこへいったのだろう