気づけば内定していた印刷会社で
ぼんやりと ひたすら ローテーションワークする
詩をひたすらにノートに書くように
目を刺す 昼の強烈な日差しだけは 二月の初旬は貴重だった
だけど ....
娘と一緒にドラッグストアーに行って
「好きなものをひとつだけ買ってあげるよ」
と言ったら
「ホチキスが欲しい」と言う
「ホチキスならうちに二つもあるでしょ。
塗り絵の本とか色マジックのセ ....
トヨさんが死んだ
あの
トヨさんが死んだ
よろこびも
かなしみも
気持ちが波にさらわれる日々
こんな時間を
百年も永らえ
言葉を紡ぎ
僕たちに残し ....
舞台中央に椅子がひとつある
男がひとりすわっている
男は語りはじめる
おまえさん牛は好きか
そう、おまえだ
牛は好きかと聞いているんだ
牛はすばらしいぞ
何しろ奴ら
....
うす汚れた魂を
夜更けに洗う
洗面器に冷たい水を張り
ひとつまみの塩でもみ洗う
不信と後悔がにじみ出て
....
私の詩を
だれかが声にだして読んでくれたら
いいとおもう
大きな
大きな声で読んでくれたらいいとおもう
この私の両の耳にも
きこえるように はっきりと
よんでくれたらいいとおもう
....
星がみえぬと
嘆くのならば
夜ごとまぶたを
くちびるで塞ぐ
それは塩辛く
わたしは夜に
海をみる
....
坂の上から街を見ました
街の向こうに 海を見ました。
海は細長く、曇り空の下に無言で横たわる
私が見ても
見なくても
風が吹いても
吹かなくても
....