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 心はいつも籠の中。
 苦しさ紛れの言葉遊び。
 朝方の霧雨に煙る旅情。
 夜はまだ先。

 渓流の流れに似たひと時。
 我が腰の辺りを啄ばむ猛禽。
 湖でもがく 浮上の兆し。
  ....
 時代を超えて鳴り響く鐘の音よ。
 この夏の盛りにやって来る荘厳の響き。
 この身を何度委ねたか分からない魔性の響きよ。
 乳飲み子の眠りを妨げるのはやめておくれ。

 閑散とした町の中 ....
 静かな平日の図書館に人の気配はない。
 幾千幾万の蕾たちが花開くのを今か今かと待ち望んでいる。
 私の手の中で花開いた詩集は遠い昔の魂の叫びだ。
 私は今日もまた本の森へと足を運ぶ。

 ....
 散財につぐ散財でまったく有り金がなくなった。
 ギターすら売っちまった。
 あとにはおんぼろの車と愛すべき彼女だけが残った。
 友達への借金も残ったままだ。

 そんなある日彼女を連れて海 ....
 遠くで蜩が鳴いている。
 商店の軒先から蚊取り線香の匂いがする。
 祖父との思い出が詰まった公園へ行く。
 そのとき私は自分に見合った石ころを拾い上げた。

 石には歴史が刻まれている ....
 夏の日差しを浴びて影が私の前を歩いてゆく。
 大通りから一本中に入った林道に避暑客は少ない。
 挨拶を交わすのは老人だけで見知らぬ若い友人たちは
 まるで私を影だと思っているのだろう。
 ....
 港町を照らす外灯が昨日の過ちを優しく包み込む。
 日ごと繰り返される真夜中の徘徊に彼は意識を組み込もうとしている。
 苦しみは土着し、天を仰げば悲しみに満ちていた。
 振り向くと死が彼の背 ....
 絶望のたゆたう夜空に黄緑色の言の葉は寄り添い、
 音楽を友として今まさに昇天しようとする魂よ。
 君のその美しい羽はなんであるか。
 此岸より望む大河の流れに身を任せるのか。

 ああ ....
 清らかな小川の流れに言葉は産まれ消えてゆく。
 願いは祈りになりあの山の向こうへ放たれる。
 初夏の訪れと共にやってくる想像を
 使い古した手帳に書き留める。

 白樺の林の中で虫たち ....
 嘘を重ねるたび丘の雲は地表を露わにする。
 それはどうにもならないくらい現実で
 自分の歴史の中の恥を上塗りしてゆく。
 自責の念は何の解決にもなりはしない。

 穏やかな音楽も今は音 ....
 四季の巡り会わせに机上の万年筆は時を刻む。
 古びたノートから溢れてくる言葉達は
 オルゴールの音色と共に空間に放たれる。
 胸躍らせた他人の言葉に思い出が宿る。

 雨に濡れた紫陽花 ....
 街角の雑貨店に流れるオルゴールの音色が心地よい。
 店番をしている若い雌猫のカフェオーレのような顔もまた楽しい。
 店の扉を押し開けてのっそりと入ってくる常連の猫は
 手入れの行き届いたひ ....
 雨音がすべての音を掻き消していた。
 この町に人はまばらだが、誰もが何か特別なことが起きるのを待っていた。
 不謹慎極まりない人々なのだ。
 小さな町では誰もが監視されている。

 
  ....
 すっかり改装された応接間に白い光が差し込む時、
 僕は思い出の中で横浜の匂いを嗅ぐ。
 まだ何も知らなかったあの頃の幸福は
 クラリネットの甘い音色が包み込んでいる。

 庭に抜ける大 ....
 湖岸に立つ私に風は爽やかで
 静寂の中に鳥たちの声が聴こえる。
 靄のかかった湖面から小枝が屹立する情景は
 私に生命力の尊さを教えてくれる。

 静かに歩み寄る初夏の足音に耳をすませ ....
 午前三時 僕はあなたと海を聴いている。
 二人は言葉もなくただ海を聴いている。
 ただ失くした時間をお互い必死に埋めようとしている。
 過去がゆっくりと波間に解けてゆく。

 群青色の ....
 霧の漂う高原で朝を迎える
 冷えた暖炉に薪をくべる時
 私の内側で眠っていた生命の光も
 優しく穏やかに目を覚ます。

 何かが覚醒するときに感じる小さなエクスタシーは
 すでに準備 ....
 黄金色に輝く草原で再び感動する我が魂を見た。
 草を食む馬の群れは善と美に満ちており、
 ドヴォルザークの傑作のように力強く、
 限りない優しさを天空に放っていた。

 草原に散らばる ....
 表通りに街灯は点る。
 閉め切られたシャッターの並びの中に誰かの忘れた人形が笑う。

 心の休息は遥か彼方に横たわっている。
 詩を歌えなくなった者は思い出の中に消えてゆく。

 垂れた ....
 桜の花は満開で 君は一つの時代を卒業した。
 休むまもなく 新しい時代はめぐる。
 心の準備は出来たかい?
 いま少しだけ 幼い君でいてもいいんだよ。

 健気に咲いている花を見て君は ....
 闇夜の狂騒が頭の中で渦巻いている。
 この音楽は私の思考を天空へと飛翔させる。
 青も赤も黄色でさえも全ては黒に変容される。
 黒く塗れ、私の目に見える物全てを。

 ため息すらつけな ....
 今日の私の幸福は、朝早く目覚めること。昇る太陽を感じることに感謝する。

 
 今日の私の幸福は、朝御飯を食べること。食べることが出来ることに感謝する。

 今日の私の幸福は、野鳥 ....
 ラムネのガラス球に己の姿を投影する。
 それは映るか映らないかの刹那の希望であった。
 希望は行為である。
 ガラス球には変形した己の色が映し出されているのみであった。

 私はその色 ....
 朝靄の木々の中を歩いてゆく。
 無言の挨拶をうるさく感じている。
 今再びの予兆にただ独り、俯き、
 それでも精神は前を向こうとしている。

 透明なピアノの音が遠くで鳴っている。
 ....
 雪 ひとひら 舞い落ちる
 静かな 夜に
 雪 ひとひら 舞い落ちる
 涙にも 似て

 雪 さらさらと 風に舞う
 冷たい 夜に
 雪 さらさらと 風に舞う
 血液にも 似て
 ....
ガラスの葉っぱに滴る雨水が甘い匂いを放っている。
この街の横顔が、夜明け前の薄青い静寂に包まれている。
店を閉めたジャズバーの管理人が、暗い色のコートを着込み、
メインストリートの奥へと消えてゆ ....
家族の中にあって孤独を感じる魂が木の十字架のある教会に飛んでゆく。
縁も由もないこの教会に慰めを求める気持ちは分からない。
消えてしまいたい。
愛したはずの人達が頭の中を駆け巡り、記憶の糸は縺れ ....
 群青色の空高く 浮かんだ月は艶かしくて
 女体の中心を穿つ臍のようだ。
 月に向かって両手を重ね
 ゆっくり優しく愛撫する。

 時間をかけて湿った月の柔肌を
 私はもう愛さない。
 ....
 夢は常に遥か遠くに横たわっている。
 僕らはあらゆる手段を用いて少しでもそれに近づこうとする。
 幾つになってもそれは大事で光り輝く真夏の太陽のようだ。
 空には気さくな雲が流れている。
 ....
銀色の飛沫をあげて僕の頭がスパークする。
それは一線を超えた幸福。
手の平から放たれた感情。
自分自身を取り戻す熱情。

七色の太陽。
夜空に煌くダイアモンド。
黄色い鳥達の声。
 ....
夏美かをるさんのヒヤシンスさんおすすめリスト(121)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
怯える心- ヒヤシン ...自由詩10*15-8-20
貴方へ- ヒヤシン ...自由詩7*15-8-18
街中の森- ヒヤシン ...自由詩7*15-8-18
メモリーモーテル- ヒヤシン ...自由詩5*15-8-15
市民公園- ヒヤシン ...自由詩10*15-8-8
スナップ写真- ヒヤシン ...自由詩8*15-8-1
横浜港にて- ヒヤシン ...自由詩6*15-7-25
夜会- ヒヤシン ...自由詩11*15-7-18
蛍の光- ヒヤシン ...自由詩14*15-7-11
疼き- ヒヤシン ...自由詩11*15-7-9
記憶- ヒヤシン ...自由詩6*15-7-5
愛というもの~永遠と呼べる一瞬- ヒヤシン ...自由詩10*15-6-25
疑心- ヒヤシン ...自由詩6*15-6-20
横浜- ヒヤシン ...自由詩6*15-6-20
明け方に- ヒヤシン ...自由詩7*15-6-6
凍解〜午前三時- ヒヤシン ...自由詩4*15-5-31
小さき絵- ヒヤシン ...自由詩8*15-5-16
創造する魂- ヒヤシン ...自由詩7*15-4-29
深い夜に- ヒヤシン ...自由詩5*15-4-25
娘に- ヒヤシン ...自由詩11*15-4-2
無題- ヒヤシン ...自由詩6*15-3-22
今日の私の幸福は- ヒヤシン ...自由詩6*15-3-9
遠吠え- ヒヤシン ...自由詩10*15-3-9
戸惑い- ヒヤシン ...自由詩8*15-3-6
雪ひとひら- ヒヤシン ...自由詩16*15-1-15
街の風景- ヒヤシン ...自由詩7*14-12-18
悲しみのエチュード- ヒヤシン ...自由詩9*14-12-7
月の夜- ヒヤシン ...自由詩8*14-10-20
夢語り- ヒヤシン ...自由詩10*14-10-13
- ヒヤシン ...自由詩8*14-10-9

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