すべてのおすすめ
今が 日付を一歩跨いだのか
時が 向かい風のようなのか
昨夜から
今朝へ
光が溢れ
新雪積もって白紙に戻り
一文字人文字人間が
寒い眠いと起き出して
....
青く開いた空の深みから
一つ また一つ
無言の頷きのように
頬に
建物に
大地に寄せられる
ふわりと白い口づけ
それは
氷柱のように尖らせて行く
生ぬるい毎日の中で肥大した妄想を ....
霙と嵐と雷鳴で
十一月の夜が揺さぶっている
手のうちなんざ知れたもので
瞳は渇いたまま空を切る
初雪が覆った小さな棺
添い寝をしたくてもできなかった
小さな棺がゆらゆらと
時の浪間を ....
きみのことばは
秋の冷たい雨のようだね
仄かな愛の燃えかすを
ひとつ ひとつ 丁寧に
つまむように消して行く
夏の陽射しに彩られた
一輪の記憶が今しがた
明け ....
今日は素晴らしき日曜だ
嵐に弄られる街路樹と
無意味に転がる棒切れが
呼吸のように入れ替わる
ペテンのような日曜だ
あなたの瞳の奈落に潜む
鬼火のような問いかけは
閃くごとに ....
廻り廻ってさようなら
季節はまたも去って行く
やがてはわたしも去って逝く
寒くなったね
それでも今夜はまだ
震えながらも網をかけて
待っていましたよ
今夜はまたすらりとして
....
重たい鉄兜を被せられた人がいる
気がついた時にはすでにそうだったから
それが自分だと思い込んでいる
ゆらゆら不安定に生きていて
ある日たまたまどちらかに傾くと
それっきり右なら右
左なら左 ....
今日 一つの悪意がとぐろを巻いていた
子供の頃に見た陰鬱な景色のよう
すべてが蠢く暗号のように
見慣れた街並みがそのまま
仄暗い陽炎にゆがむ悪夢のように
今日 一つの悪意がとぐろ ....
幼い心をこじ開けて
あなたは痛みを植えて行った
悶え苦しむ年月
綺麗な嘘で幾重にも
痛みを包んで行った
いま この心に抱いているのは
ぞっとするほど美しい
....
大惨事が起こるその瞬間
世界は目を閉じる
そして
後からくる絶叫の前に
世界は耳を閉ざす
やがて
時間という距離を経て
世界はそれを歴史と呼び
記念碑を建て記念日を定める
見もし ....
1 2