すべてのおすすめ
刻まれてゆく季節
夜半の雨は痛みをともなっていた
言葉で綴られる感情には限りがあるのか
ややもて余しているこの存在と日々
ただのスランプなら人生にはいくらだってあるさ
いままでやって ....
田舎だからといって
素敵な虹が出ないわけではない
田舎だからといって夢がないわけでもない
田舎だからといって人っ子ひとりいないわけでもないのだ
田舎の虹が素敵なように田舎の恋 ....
抱きしめたくなるような朝だ
今日の空から当番の天使が降りて来て鐘を鳴らす
空色のビイドロ細工の世界はいつものようにカーテン越しに
光の言葉で瞼を押し上げてひと時の旅を促がし始める
こん ....
ともだちの家と二軒ぶんのごみだしたから
朝からくたくただって君が言う
今日はお昼から仕事だって
僕は朝帰ったばかりで残り物でご飯をつくっている
刻んであった大根とキャベツをつかう
....
月は夜の命醒めた情熱が空に浮かんでいる
張り出した枝の先に引っかかってなにを思う
そらが墜ちてくるまであそぼうか
朝のひかりを待たずに逝ってしまう
幾千のしじまの響きをたずさえて
....
僕は子供の頃金太郎飴がすきだった
でも一緒に暮らそうとはおもわなかった
金太郎飴よりは
それぞれ違ったいろいろな飴が
食べたかった
あまり関係はないが古い知り合いの井上さんは
....
秋空のした二人の生活がはじまるのですね
おめでとうございます
こけつまろびつ行く二人三脚のような人生もけっこう味のあるものです
ときにふたりの関係が風邪をひくこともあるでしょう
でも長引か ....
遠い海を思う日
すべての手足が色あせて見えた
博物館に展示された金飾の棺のように
自我という幻が何かを閉じ込めているようだ
風化させるままに人生を問えば
その答えもまたかさこそと音をたて ....
いつもMDのラフマニノフは家に帰ると鳴りっぱなしで乾いた道と渇いた人にちょっと疲れた心をなぐさめてくれるのだが。
現実派ではもともと無いのではあるが独りの家計はあらためて可処分所得の少なさをしっかり ....
真夜中のいきものたち
真夜中の市場にはすでに
大都会の胃袋を満たすための供物が
続々と魁偉な動物のような巨大車両や
あるいは中型や小型のさまざまな甲虫たちによって
到着し並びはじめて ....
なんでもない詩人たちがけっこう好きなのです
ごく私的でもよいのです
ときに詩的でさえなくとも
ぼくのちっぽけな世界をあたためてくれる
ひとひらの言葉たちがたぶん
ぼくがなんとなくたいせつ ....
責任とってあたしをお嫁にもらってよ
こんどは男と女になってみましょうか?
どうせ恋愛も結婚もあきらめていたから
男運がわるいっていつも言われてた
いいの一時でもあたしを必要 ....
浅い秋の山麓にはまだ夏が僅かに匂いを留めている
霊園のなか
木漏れ日に似て
かすかな静謐の羽音を伝えるもの
誰かの魂の代償としてここにやすむメタモルフォーゼの
しるし
霊園の空は高く
夏をとむら ....
一枚一枚じぶんをひきはがしてゆく
夜の電車の窓に映った
つり革にぶら下がった幽体
遊隊を離脱し
こんなところに居たのか
勘違いした片恋の記憶
まだ薄皮がひりひりと痛むが
おわらい ....
発酵と腐敗は兄弟で
人間生活に有用なものは発酵
有害な場合を腐敗というらしい
母の遺産のふるーい缶詰がある日でてきた
台所のすみで静かに時を過ごして
僕と対面したわけだ
すでに缶は ....
詩って詩の手引き書読んでもあんまりわかりませんよね。
漠然とした想いをのせたメッセージかと僕は思っています。
絶望と希望の振幅の間のすべてが、詩に思えます。
できれば排斥とか限定とかあまりな ....
にわか雨待つ軒下にいっしょのこおろぎ
銭湯のコーヒー牛乳遠いなつそして母
小さな手つないだ先の忘れていた秋
あくびして見上げたそらのわたぼうし
変化するじぶんにつかれてハーブテ ....
浅漬けのみずみずしさに添えた愛
藍色のなすの深みに更ける夜
やさしい夜芋焼酎に月映る
月わたりゆずの香りの君が居て
君知らず白菜のしろのしたたかさ
米麹べったら漬けとなじ ....
僕たちはかつての関係を修復することはできない
それは時間に奪われたから
関係は必ずしも修復を望まない
ときに修復は困難をともないその努力を裏切るもの
すべてのものすべての凍った息を溶か ....
その夜そらは光の雨で満たされて
彼方の丘の上にまたひとつ星が突き刺さり
まるで堕ちてゆく天使のようにうたいながら
ことばのかけらのように降り続けるのです
こえにならない声がきこえて
胸を ....
そらくんたちと
子供公園であそぶ
気温36.2℃
親たちは木陰に避難し
子供たちだけが
めまいのする夏のさなかの灼熱を
嬉々としてうけとめている
なつをワンダーランドに変える魔法を
いつしか使えな ....
増毛剤カタログふえても髪増えず
亜麻色の髪の乙女に足踏まれ
夜が来る妻の叱咤の恐ろしさ
おじ散歩犬と一緒に立ち小便
借金のかたに妻をいらないか?
足摺岬とこずれの母思い出 ....
1 2 3