あれは炎だ
理由も道徳も求めない炎だ
まごうかたなき赤い炎だ

怖れを知らぬ
黒い鳥が炎を目指す

命とはそういうものだ

せめて美しい君を覚えていよう
たった一日でしぼんだ朝顔
 ....
正常に動く心拍が苦しい
穴だらけは星々の睥睨だ
脂汗も冷や汗も平等だと
穴だらけの地面は高貴だ
蒼天と真空のあいだから
繋がりのない銀架を踏む
どうしてこうなったのか
口内は苦みを増して ....
まばたきは
シャッターだから
夜になると
わたしのなかは写真だらけになる

そうやって
撮り続けた
日常のいくつもの場面を
夜の川に流していく
笹舟のゆくえを追えないように
それら ....
タラレバがやって来るときは憂鬱だ
タラレバには輝く空がない
これを言うとみんなに叱られるから
タラレバはいつもひっそりと隠れている

タラレバは食い物じゃない
タラレバは歩くのが遅 ....
酸欠状態で喘ぐ金魚が
水面を見上げる角度で仰いだ空は
怖いほど明るい色をしていた

アイスクリームよりも呆気なく
溶けて流れ出したフレーズを
おろおろと掬い上げようとしたら
それは舗 ....
遠い日々の想い出は
端からゆるやかに欠け落ちて
ときめきや痛みばかりが
消え残る

懐かしい山々の稜線は
暗く沈殿していく記憶の底で
鮮やかな結晶となって
溶け残る

彼方を眺 ....
   一筋の糸のように
   あとからあとから
              
    繋がっている

   連れてくるのだ
   思いだせない何かたちを

   そんな蜘蛛 ....
 
路地裏を通り抜ける豆腐屋のラッパは
夕暮れによくにあう

かくれんぼの時間が削り取られて
ひとり帰り ふたり帰り 
隠れたまま鬼から取り残さて
気がつけば夕闇につかまっていた
どこ ....
竜骨座の主星カノープス 大小のマゼラン星雲 月に遊ぶ人魚 南天の星々は僕を魅惑する

散文的な日常 それも嫌いではないのだが 僕はほんらい空の生き物らしい

ただ地上では羽をもがれたバッタのよ ....
涙の数だけ強くなれるなら
私は誰にも負けないはずだ

意味もなく流れる涙
其処に心が生まれるはずだ
あたたか

そぼくな

にんげんの

らくになる

ホッとする

なつかしくなる

あめのまえの

かぜ

がいとうにてらされた

みどり

もっといっしょにい ....
ぐれいぷふるうつは
少し苦くて
少しあまい

目にしみるのは
ルビーの涙かな

ぐれいぷふるうつは
ひとりでたべるには多すぎる
わけあいたい苦さです

あなたに似ています
ルビ ....
幼い頃から海が大好きだった。
道産子なので北の大地も僕の遊び場だったが函館という港街に長く住んだ。

洋風の風が吹くこの街で潮の香りが好きだった。
朝市のような活気に満ちあふれた世界はとても心 ....
君に会いに来た
昼も夜も越えて
君を観たくて

やがて夜になって
どうせ朝がくる
そしたら少し散歩しませんか

君に会いに来た
ついでがあったので
君と話したくて

やがて帰る ....
あなたの発見を

ぼくは言葉にできる


そうやってふたりは積み重ねてきたんだ

ぼくに言葉にしてもらえなかった発見は

これからふたりで暮らす何十年のうちに

一つ一つかならず ....
昨日とおなじものは
いらないのに
明日になったらやっぱり
おなじもの?

君はかわっても
ぼくはかわらないのかな
いくつになっても?
うん。
将来のゆめを語るひとでいたい

九十 ....
  

  かたすみで
  ひざまづいているような
  夜の闇に
  蚊取線香のけむりが
  しろく冷めてゆくのを



  いのるように
  きみは見ていた



   ....
固く強張った叫びの表面から
水が剥がれる
一枚の皮膚のように
音もなく
樹齢千年の眼差しに救われて

水は
季節の波紋を揺すり
懐かしい演奏を軸とする
流れと
陽光の到着を待ちなが ....
おばあちゃんが言った
ふりかえっちゃいけないよ

茄子の牛に乗って空へ帰る人たちを
見てはいけないと言った

だってさみしくなるだろう
送る方も
送られる方も、さ

藁を燃やして送 ....
あの風に乗って
君に届くといい
愛しているという
事実ではなくて
こんなにも愛しいという
ただの感情が
何者にも混ざらないで
ただただ
届くといいのに



 ....
「草熟す 潮は変わる」
               木の若芽

立てば木と すわれば草とともにある
和草(にこくさ)を守れ荒草
また己が脆さによろけ花に倒れ
荒れ果てた庭が私のサンクチュ ....
子供の頃に
淡雪ひとつかみ
瓶の中に入れた

白い雪は
溶けて水になった
どこにでもある水になった

子供の頃
白い絵の具ひとつまみ
雪解け水の瓶の中に入れた

白い絵の具は
 ....
浮いたり 沈んだり
忙しいよね 生きてくってのは

尖ったり 丸くなったり
大変だよね 世渡りってのは

従順になったり 裏切ったり 
しんどいよね 恋愛ってのは

嘘をついたり 愚 ....
{画像=120805195041.jpg}


一つ忘れることは
一つ自由になることかも知れない
我々は過去に囚われ
過去に生きているように思うが
想いは日々新しい記憶に塗り替えられてい ....
それは指きりに似ていて
元旦に引くおみくじのように
瞬間的な高揚感に近い
謎というほど難しくはなく
誰でも同じように持っているのに
ひとつとして同じものはない

君と僕に ....
銀紙の庭にときどきおりてくる
いつも窓辺に張り付いて僕はそれを朝まで剥がしている
境界線上になった手のひらの上で
それはいろいろな季節だった

たしか遠くまで見ていた
ぼやけた山の頂上で
 ....
テーブルから目を離した隙にこぼしてしまった
グラスに良く映っていた星座たちは大丈夫だろうか
せめて開けた窓に都合よく張り付いた夜は
換気するたびにぴらりと剥がれてしまっていた

洗いたてのシ ....
朝焼けが綺麗だな とか
夕焼けが凄いねえ とか

とか

すきまに見える緑色の空を見て
すきまに見える緑色の空を見て
すきまに見える緑色の空を見て
茜 朱 橙 赤 紅
すきまに見える ....
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