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スズランスイセンが揺れている

こくこくと揺れている

つまずいたら
抱きとめる つもりか

はる
ひと房の 想い
いたんだ春を拾っても

もう

あの頃には戻れない

夜風の声をきくたびに

どこかに

自分が立っている
雨粒がポタリポタリと落ちるのを
ショッピングモールの四階の暗い駐車場で
一緒に見ていた
やわらかい君の太ももはあたたかかった
じっと雨粒を見つめているその長めの睫毛は
ぼくにとてもよく似てい ....
葉っぱが
ひとり遊んでる
くるんと
まるく
じぶんをすてて
も一度
ハラり
わらって泣いて
森の痛む肋膜は

記憶とともにアンモナイトだ

春をこじらせ

また

すみれ草を踏む
本を閉じれば
そこからはじまる物語があるのを知っておいでか


カリグラフィの妖精たちが インクの森を抜け 随想のせせらぎを渡る物語を

ハキリアリの行列のような{ルビ亜拉毘亜=アラ ....
きみがわらう
わらうことを好きになれる

きみがなく
なくことを見つけたとおもう

きみがおこる
それはまるで宝石みたいだ

これから先
どんな気持ちが飛び込んで来るのだい?

 ....
弁当を開けると
見たことも無い空が入っていた
妙に縁どりのギラつく雲と
エメラルド・グリーンの空が一つだけ
箸で一口くちに運ぶと
ジャリっと歯に何かが当たった
たまらず吐き出すと
プテラ ....
やっと星影のような人は
なずなを摘んで束にして河にながします
この詩はいいですか
いいえ、泣き腫らした目です
来ない夜明けにはあなたは不在
安心なさい
おねむりなさい
遠くで
どこかで
風が吹いている

耳たぶをさわりながら
少し冷静でいよう

三つ葉のクローバーを
親指と人差し指のあいだで
やさしくしよう

生きている
だけで
何かをよご ....
色んなものへと
いきとどかぬ途中では
一人のできることなんて
川沿いに歩く
ことに似ている

タンポポは地面が好き
ごめん
しか知らない

訳せない生姜紅茶の味
掘り起こし
川 ....
白紙があるだけで
大半は満足だ
詩人らが挙って
製紙工場へ見学に行ったいう話を
ついぞ聞かないのは
退行現象か
『詩論』で有名なホラティウスだって
パピルス製造工場を
覗いてみたこと ....
なにも
いらない

なににも
ならない

ひじょうに肩がこる
欲得のかげは
うすい

ぜんぶの詩が
じつは
ローカロイド宝石

個人的ななにかを誤読し
あとは
愛する ....
風に栞をはさみ
手をかけると
ノブは風化していた
脳りの白亜層に
つき琴は鳴り

ゆっくりと
蝸牛のツノは
五うんの
河を
{ルビ攀=よ}じのぼる

類語字典は灼き
ふむ草の ....
一つ銀河を買った
安かった
お値打ちだよと町の骨董屋が言った
どのへんのですかと尋ねたら
古いのだからずっと遠くのらしいねと答えた
持って帰って
包みをほどいて中を覗くと
赤い惑星に
 ....
闘いの始まりではなく
始まりの闘いが続いている

クローゼットの把手の
象徴は
クローゼットの中の死体に拠るよりも
振り返った先の
あなたの微笑に降ろす
錨かもしれない

そうやっ ....
{引用=糸くずの
ふりかかる
だまった湖面に
傾斜した
クレセント・{ルビ月=ムーン}が
代入される

みぎも左もわからぬ
夜来の{ルビ湧出=ゆうしゅつ}

妖精により
{ルビ繙 ....
{引用=けれども
私には私がいません
不透明な秋のなかで
落とし物のように透過されたから

風は銀河を
みだりにはせず
根の調べに
いそいそと弾むばかりで

川魚のことや
難読地 ....
一つの岩の裂け目から
ふた筋の源流が
滲み出すように
詩と生活とが
互いにあらそうことなく
ゆるやかな
斜面を
下っていけたなら

むねにわく
幾たりかのものは
雲のみとし
う ....
心のさまが
容姿である惑星
風のいろが
機敏に変わる大陸
ここは
にほん国のドノアタリデスカ
制約の屠殺場に
朝やけ

神経を千代紙に包んで
ギアをRに入れる
みえない雨
瀟瀟 ....
かくこと
かかないことの傷口として

飛躍し過ぎの言葉
人工衛星
時々
ジャングルジムへ墜落

おんがく
巻貝
自己愛の十六分音符

意味は無意味
咽びのタイミングで
スリ ....
手紙が晴れない

雨もふらない

雲ばかりながれて

地球に暮らす

花は育ててみたい

うす紅色の小さな花

だれかと一緒でも

出掛けても

どっちともなく青と海
 ....
 
  {引用=みずうみに
釣り糸をたらすと
うつくしい皺が外縁へむかい
逡巡をひろげていく

魚のいない惑星では
玻璃でできた液体はとてもあおい

水べの図書館の閉架には
魚偏で ....
日々色付く里

地の守り神である
オオイチョウの頭が染まる

昨日はおとといよりも
今日は昨日よりも
確実に変化してきている葉の色

樹の寿命は長い
何世代もの人間をみおろし
年 ....
「魂のありか」

いろいろやってみたり
よんでみたり

けど
けっきょく
電気をけして
よこになり
暗闇みつめてしか
でてこない

なんにもしたくない
からの湧出か

も ....
一つの表情を分解することをしないように
ひとつの言葉は分解できない
とあなたは知っていて
世界はあまりに公平だと思うでしょうか

そらは晴れ渡りたいだけ
晴れわたり
わがままな子供のよう ....
山あいのさみしい川べりの
物置小屋の青いトタン屋根の上に
紅葉したもみじが
五六枚かかっていた

大町の山間部の秋は
ダム湖の水面に近い方から色付く
楓が黄色く
イロハモミジはわずかに ....
痰だ

まわりで乱舞して
ひとしきりはしゃいだやつらは去った

残飯のような
おれは
ひとり
路上に座学

汚辱のイメィジで
手を淨める
咳き込む たびに
薔薇を
 ....
不幸の防護服をきるのは簡単だけど
幸せなカーディガンをはおるのはむずかしい

夏でもなく冬でもなく春でさえない
秋には特に
ブナの樹が荒風にもまれている
窓硝子にその小枝をかつかつと擦り付けて

(短針の銃口は2:00をさす)

サイドボードの上の小ぶりの兵隊たちは
突撃の姿勢をとったまま永遠の停滞の中にいる
 ....
無限上昇のカノンさんの道草次郎さんおすすめリスト(38)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひと房- 道草次郎自由詩821-4-16
ちり桜- 道草次郎自由詩421-3-28
笑顔- 道草次郎自由詩10*21-3-21
葉っぱ- 道草次郎自由詩6*21-3-14
地層と人- 道草次郎自由詩5*21-3-10
閉じた本の物語- 道草次郎自由詩4*21-3-7
きみがわらうと- 道草次郎自由詩5*20-12-18
白亜紀の弁当- 道草次郎自由詩7*20-12-1
星影- 道草次郎自由詩3*20-11-28
そこへ行きたい- 道草次郎自由詩720-11-20
帰り路- 道草次郎自由詩420-11-18
パピルスの諌言- 道草次郎自由詩320-11-16
鉱夫- 道草次郎自由詩420-11-15
月と名のない花- 道草次郎自由詩320-11-14
銀河を買う- 道草次郎自由詩1420-11-12
海の把手- 道草次郎自由詩220-11-11
湖畔と菌糸- 道草次郎自由詩620-11-9
愁思と不在- 道草次郎自由詩9*20-11-3
水のような願い- 道草次郎自由詩2*20-11-3
さよなら地球- 道草次郎自由詩2*20-11-2
燐の火- 道草次郎自由詩4*20-10-31
秋の風景画- 道草次郎自由詩2*20-10-29
幻想と歴史- 道草次郎自由詩13*20-10-27
オオイチョウの樹- 道草次郎自由詩6*20-10-27
三者三様- 道草次郎自由詩2*20-10-26
メッセージ・イン・ア・ボトル- 道草次郎自由詩120-10-20
チェーン脱着所にて- 道草次郎自由詩9*20-10-18
鉄の歩- 道草次郎自由詩2*20-10-15
秋のカーディガン- 道草次郎自由詩6*20-10-15
幻影のコンバット- 道草次郎自由詩3*20-10-13

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