押してもダメで引いてもダメなドアは
最初に押したからダメになった
閉じた気分を開いても
誰もこっち向かないのは
それと多分おんなじ
見てわからないものが
聞いてもわかんないのは ....
町の壁には落書き
薄く消された悲しみから 死んだ目の子供達に言葉を与える
町の壁には落書き
遥か彼方の鉄橋から 殺された目の子供達に言葉を与える
気がついたら私に落書き
瞼を閉じたと ....
お年玉付きハガキに残暑お見舞いされている
はじめて宿泊した日は
洗いざらしのシャツとジーンズで
いつ帰るか予定のないひとり旅だった
大きなリュックを背負い
フロントまでの階段を登った
*
しばらくして
宅急便 ....
有事に無力感しか抱けず
悔し涙を流すのは嫌
「馬鹿」上等
むしろ馬鹿でいい
常日頃から小さな力を蓄える
OBが次々と狼煙(のろし)をあげる
戦争は反対
生きる人の ....
最近付き合いが良くなった。
気も遣える様になった。
少し許してもらった。
嬉しかった。
待つことを覚えなくては
人が心を開くまで
じっと耐えて待つ。
いつも心と愛情を持って
慌 ....
ざわざわと森のゆれるこの夜に月のまにまの生命誌
魂を細胞膜で包んでよ触れ得ぬもののかたち見たくて
ちいさなエゴで組み立てられたものおもちゃの国の総裁となる
こころを巡る海流の漂着地点 ....
天を仰いでなんど君の名を呼んだことか
だが、君の麗峰まで声は届かない
君は雲に隠れて、姿を見せない
君は、雲を従え、引きこもる
湖畔で、日が暮れるまでひとり君を待っていた
夜が来た
....
.
見る風景 見えない人
見える風景 見ない人
きみは風景を見ているか
風景はきみを見ているか
こんなにも草は伸び木は腐り
絡み合う根と逃げる水
人は風景を忘れるが
風景は人を記憶 ....
二人でいるときこえないものだ
一人でいるとき
聞こえていた 音楽が
一人でいると
話しかけてきた 犯罪者が
二人でいると 相手にもしてくれない
一人でいると
僕を 覚えてくれた 女の ....
いつだってそうだった。いや、まだ生涯に2度目だが、3度も4度も変わらない。
俺が30歳のときの夏。スマホの出会い系サイトで知り合った高校1年生に恋をした。よくある恋愛小説ならこれは幸せなカップル ....
ヒマワリが咲いた
この幼き大輪は今日も探している。
自分の振り向く方向を
ヒマワリが咲いた
もうすぐ夏は終わるのだ
こっち、こっちだよ
と私は 東を向いて太陽を指さししてみた。 ....
転がり
笑いにおよぐ手は
あなたの汀(みぎわ)に触れただろうか
いつしか愛は 大きく迂回する
あなたの的は
わたしたちの的であり
なのに欲しがるわたしの瞳はもろく
瑞々しい
....
赤い砂漠をトボトボと
白いドレスの女は行くよ
背中に担いだ木の十字架は
太陽に焼かれ{ルビ暗の暗=くらのくら}
既に神は干からびたもうた
軽い軽い炭のクロス
....