咲きこぼれそうな花びらをもちあげて
そっと水を遣る
眠たい 明け方に
僕ができることは あんまり多くない

迷い込んだ虫を外へ出してやる
今日に似合う歌を選ぶ
まだ眠る君の
は ....
外野を抜けた白球を追って走る
走者が一掃して
試合が終了しても
ひたすら追いかける
悲しみも寂しさも
ただの退屈だった
人の形を失っていく
それでも最後の一ミリまで走る
(午前7: ....
伝えれば 伝えるほど
孤独になっていくんだね

吐き出して 楽になるのは
臆病者なんだよね

その軽さに相乗りして
ふざける奴もいるだろう
注意するのは身の危険だ
賢者は黙る
やり ....
「詩人になれたら死んでもいい」
と、みかちゃんが言った
「あたしは詩人になれなかったら死ぬ」と言い返した
あんなにあたしたちがなりたかった「詩人」て
なんだったんだろう

私も彼女も
自 ....
廃田の草を刈っていると突然大雨となった
しばし、刈り払い機を雨の当たらない所に置いて
雨の中に立ったまま私は辺りを見ていた

これからのことを打ち消すように
雨は降りしきり、そしてまた
何 ....
お言葉ですが、と言った男
確かに言葉に違いない
うまく喋る
来年の言葉も昨年のように喋る
言葉は耳で聞くものではなく目で見るもの
肉体だからね、目で見る
 山下君、山下君だったね
 はい ....
街路樹の根元に
延々と連なるラベンダー
夏になったら咲くのだろう
この街に 夏が来るのなら

誰と誰が生きのびて
新しい詩を書くだろう

マスクをつけて歩いていると
先生が電話してき ....
雨が
木の幹を濡らしていく
緑の木立は微かに揺れて
時の狭間に佇んでいる

この四月馬鹿の一日に
優しく優しく照り映えながら
雨は
間断なく降り続け
やがて
街を静かに濡らしていく ....
風が強いから洗濯物を追いかけて
綿毛が背中を撫でていく、さよなら
踏みぬいてしまいそうな青い草地を
蛙が春へと飛んでしまったから

ひとりきりで立ってます

スイカズラの甘い蜜を分けあっ ....
ひとりぼっち、の人は
ひとりぼっちの景色を

知っていて

遠くを静かにみつめている
たまに夜半の丘に立っては
叫んだり泣いたりしている

眠れば星雲の渦にまかれて
わからない ば ....
頭部のない地蔵が地に突き刺さり私は石くれを拾い集めて供えていく。顔は覚えてくれているのか、と問われても元より知らない。けれども手を合わせることだけは遠い昔に習ったし、あの鳥のように歌を供物にしてあの花 .... あれっきりだけれどお元気ですか
月と火星を指でつなぐくらいの距離
びゅんと、目をつぶっていれば三時間くらい

インターネットがぼくらの秘密基地から
渋谷の交差点になったころ
あいもかわらず ....
僕に関係の無い人が笑っている
僕に関係の無い人が泣いている
僕に関係の無い人が風に揺れている
僕も少し風に揺れながら口を開けて
あの日のことを思い出そうとしている
あの日、が何のことなの ....
薔薇の散るかすかなざわめき
酸性雨はやみ
コンクリートは少し発熱している
大きな海で貝は風を宿し
小さな海では蟻が溺れる
波紋はいつだって
丸く
遠く
対岸で鳥はさえずり
ポストはチ ....
 
 森の小径でだれかの影法師が泣いている。
 よそゆきの仮面を外し、裸の心が揺れている。
 曝け出す事を善しとするならば、
 私たちはだれにどこまで曝け出せば良いのだろう?

 露台の椅 ....
私が知りたいのは常に一つのこと
あなたが哀しみを哀しむとき
遠いどこかで雨はブルース
青い道に波が響いて
ぬぐう頬にはあかねさす
ライトは一定の冷たさで照らす
誰かの血を
誰かの非を
 ....
火を盗ってきたから
ここで炎が燃えているのだと
プロメーテウスは言うのだけれど
プロメーテウスはおバカさんだから
火から離れて星を見ている

もちろん星はたいてい火なのだけれど
そうじゃ ....
お控えなすって

ご当家の 軒先の仁義 失礼でござんすが お控えなすって
障子より目玉だけ出しておられる お坊ちゃんお嬢ちゃんも お控えなすって
わたくし生国は 大海原 水界のはてに発します
 ....
ことばが寒さから抜け出し
たいようを追いかける夜に
睡眠剤をウイスキーで呑む

景色はしろく記憶だけ鮮明で
墨汁で色濃く書いた文字さえ
どこか儚い冬のきろくになる

突然の ....
わたしの骨がぎくしゃくと、鳴る
肯定的な歌
1+1=人間じゃない

不恰好な日々のつまずき、こそ
しんしんと軋み泣く骨の{ルビ声音=こわね}、こそ
人間の調べ

すけるとんよ
ぎくし ....
雪の街を歩きたい
ってあなたが言ったら
本当に降ってきたあの日
わたしは応えなかった

降らない街で
本当に降って

雪は

きれいでした
綺麗だった
降る音も
確かに聴いた ....
いつもの公園で待ってるから

ガラクタみたいな行進曲

ツギハギだらけの人生だ

くるまに轢かれてもラチられても

なんともならなくたって

なんとかなったって

悪意しかない ....
朝が来たらしい

いつのまにか雨の調べは遠ざかり

ぼんやりと明るい
そして
うっすらと温かい

光が温かいのは
きっと誰かが決めたこと

光が遠ざかれば また
冷たい闇に抱か ....
玄関前から姿を消して
死んだと思っていたジニーは
台風が去って
ほとぼりも冷めたころ
ウッドデッキの隅に見えない糸を張っていた
風よけに集めておいたプランターを
少し動かそうかと身をか ....
幸せになって
たいせつなお友だち

惜しみなくきれいなおいしい
飴をくちづけたい
そんなものまだ
わたしのなかに壊れきらず
のこっているならば

幸せとはなんだろうね
つらつらして ....
瞼を閉じると 
ピラミッドの中に閉じ込めれている自分が 見える
ときには 女王としてそこに留まって居ると勘違いしているときもあれば
奴隷として 居場所のない居場所に存在していると 思うときもある ....
きのうつぼみだったあの子が
今日はもう咲いているね
満開になって
散ってゆくね

みおくるかなしさで
こわれてしまわないよう
みんなで別れをおしんでいる
はなやかなお葬式

淡いピ ....
水に嫌われ
水で追われる
隠れることもできず
すぎてゆく日々


飛ばされそうになりながら
どこへ帰るともなく進みゆく
すれちがう花も
すれちがう蝶もわからない

 ....
だめだ
もうだめだと思いながら
それでもまだ生きながらえている

この鼓動は止まることがなく
呼吸が止むことなく
陽の光を浴びて幸せを噛みしめる

気を失ってしまいたいと切望し
なに ....
夜は融けて立ち昇り
路と壁の亀裂を埋める
通りに捨てられたものに触れ
無機を有機に変えてゆく


階段 廊下
屋根にあふれ
器の水は
空の光にそそがれる

 ....
フユナさんのおすすめリスト(474)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
明け方に- はるな自由詩721-5-24
つぶやかない(四)- たもつ自由詩1321-5-23
茶碗蒸しの極意- umineko自由詩15*20-11-8
詩人になれたら- Lucy自由詩12*20-7-5
これから- 山人自由詩17*20-7-2
明滅- たもつ自由詩1520-4-2
夏が来る前に- Lucy自由詩7*20-4-2
四月馬鹿の雨- ひだかた ...自由詩920-4-1
春景に立ち- 帆場蔵人自由詩7*20-3-28
ひとりきり- 帆場蔵人自由詩17*20-3-7
求めるもの- 帆場蔵人自由詩4*19-12-3
Re:あいもかわらず- 青の群れ自由詩918-7-18
さよなら- たもつ自由詩2518-6-8
六月の朝はまどろむ- そらの珊 ...自由詩1618-6-2
クラリネット- ヒヤシン ...自由詩9*18-6-2
私が知りたいのは- ふるる自由詩518-5-30
プロメーテウスのおバカさん- 佐々宝砂自由詩7*18-2-17
おもてなし妖怪2018- るるりら自由詩9*18-2-13
薬を酒で飲む- かんな自由詩13*17-11-27
骨の歌- 服部 剛自由詩817-11-20
雪は- もっぷ自由詩717-11-11
いつもの公園で- 吉岡ペペ ...自由詩1217-10-2
柘榴の国のお姫さま- そらの珊 ...自由詩13*17-9-29
ジニーが生きていた- Lucy自由詩10*17-9-28
- 田中修子自由詩12*17-8-25
- るるりら自由詩14*17-7-13
桜の死んでいくとき- 田中修子自由詩6*17-4-11
夜に至る夜- 木立 悟自由詩817-4-6
生きてゆく- 坂本瞳子自由詩10*17-4-1
こぼれ_ひらく- 木立 悟自由詩417-3-30

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