すべてのおすすめ
フラフラ歩くな
すぐ祈るな
食後の腹筋なんかするな
ダルいとか言うな
ダルイとか言うな言うたらシンドイに変えたりとかすんな
ちゃんと隅っこまで掃け
まだ捨てるほどゴミ溜まってへ ....
擦り切れて ニコチンで黄ばんで
髪が抜けて 左手のない人形だけど
ちょっと笑った気がしたんだ
ウソ
ウソをついた
っていうウソをつく僕のすぐ横で
網戸にへば ....
突然
写メールを送りつけてきて
おれの誕生祝いに
夫婦ふたりで
温泉に行くのだという。
ちょっと待てよと
息子としては思う。
おれの祝いなのに
なんで
昭和元年と
大正十四 ....
熱を嫌う
冬の午前十時
錆びた手すりに
もたれて
こめかみを撃ち抜く
動物園に火をつける
噴水は枯れた
飼育員の首吊り死体
食らいつく ....
ハロー ジョゼ ハロー ジョゼ
背中の傷は 自分でつけた 爪の跡
ハロー ジョゼ ハロー ジョゼ
自意識過剰で 前髪を直しすぎるね
ハロー ジョゼ ....
あまい
あまい
せっかくあまいのに このメロン
汗だくだから
塩くさい
いまどき
塩くさい
今時
今時計
何時?
12時
何分 ....
蝉がワンワン言っている
普通蝉はミンミンだろうと怒鳴り散らす
そうすると一瞬水を打ったように静まるが
また誰からとも無く鳴きはじめる
そうして蝉は反撃を始める
ワンワンわんわんワンワ ....
時計が遅れたり
進んだりするのを気にする人は
何よりも時間の大切さを
知っている人です
けれど
時計には時計のペースがあることを
忘れないでほしい
など
ホームの水飲み場で
あな ....
ポンジュースが出るという噂と、狂おしいほどいつも通りの日々。例えば、そんな愛媛で風景している校庭が、東京の夕暮れの向こうにある。午後、水飲み場で、挨拶は永遠にすれ違っていく。す ....
絶対に望まないのが絶望なら
絶対に望むのも絶望だってば
ループしたスカイウォーカー
ループしたスカイウォーカー
端からいらない順番に並べてったらいつの間 ....
ある時ダヴィンチが
金魚鉢を眺めていると
金魚がウインクしたので
「魔が差したんだろう」
と思った
またある時ダヴィンチが
散歩をしていると
電信柱がおじぎをしたので
「人 ....
こつこつ
とんとんとん
いしゃは
わたしのむねを
たたいて
ちょうしんきを
あてたりして
ふむふむ
わけしりがおで
カルテに
なにかを
かきこんでいる
わたしは ....
湖底の朽木となって
魚のはねる音を
聞いていたい
この2本の紐を引っ張ることによって俺は何かを得ようとしている
世界平和か
民族統一か
環境保護か
火星探索か
確実に言えるのはもはや
少女の下着を露にするそんな卑猥な動機の ....
禁煙席も喫煙席もごちゃ混ぜで
店は煙でもうもうと
あたしはビールを一気飲み
送風しかない空調のせいで
みんな汗だく
涼しい顔であたしを手招き兄さんの
指には彼女と揃いの髑髏のリ ....
あい 愛
うえ 上
おか 丘
きく 聞く
けこ ムリ
け 気
こ 娘
愛上丘聞く気娘
= 愛は丘の上にあるとい ....
見渡す限り 真っ白な地面の上で
彼女は華奢な足と もっと華奢な腕を伸ばして
大の字に寝転がって 口におもちゃのピストルをくわえて
太陽に押しつぶされるのを待っている
ぐぅーぐ ....
動かないで
うっかり逆鱗に触れないよう
紅を差してあげる
私の部屋に浮かび揺れる
赤い花びらに
首を傾げる友達
透明な竜を飼っている
躾はいいほうだ
私の帰りが遅いと寂 ....
サキは笑った
蛸がパソコンを操り始めたからだ
赤くなって蛸はワードをうちはじめたのだ
蛸はなにが書きたいのだろ ....
ペンキ職人
天野茂典
青いペンキ
台詞のない声
遠くからやってくる海
炎の青空
どこにも出てゆかない砂
ぼくの病棟が乾燥している
シマリスとあそんでいる
ナキ ....
覗いた世界は
薄汚れていた
彩りを失くした街は
希望も失くしたようで
それでもまだ
笑っていた
だから僕も
つられて笑った
彩りを失くして
希望を失くして
それでもただ ....
カーテンレールを外れた布が
窓枠で首を吊っている
身動きもしない
六畳に寝かされた
汗ばんだシーツの皺
墜落した蚊
赤い斑点
タールに濡れた壁
照り返し象牙色
のなかに陰 ....
コントロール、して、クローズ。巻き付いて離れないターバンのような頭痛が周りを跳ねて泳いでトビウオの羽が銀色に輝いて次にくるくると高速で回転してターンテーブルを指先で逆回せば戻るような軽やかな時間に華や ....
知らない街で
洗濯物が揺れている
風に洗われて
青空を映しながら
知らない道に
鳥の羽根が落ちている
素通りなど出来なかった
「これは大空の破片なのだ」と
....
某月某日
耳を割るような金属音で覚める
目は閉じたまま
ヨタつく足でカーテンの前、起立
生地を掴んでそれを最高速で裂いたら
同時に目を開けたら
流れ込むはずの世界がどこにもなか ....
巻き過ぎたのか
巻き足らないのか
動いてるようで
止まっているようで
速いようで
遅いようで
『はやい』漢字は二つあるのに
『おそい』漢字は一つだけ
入り口は二つな ....
夜に降る夜から幻になり
分かれゆく灯の端から現になる
光の鱗に満ちる窓
ふちどりの迷路を世界は流れる
ふたつに割れたわたしそれぞれに
天から地から
糸のような鉄が差し ....
水びたしの指で
コンセントに差しこもうとした
叱られた
しらない世界はいっぱいある
目のまえのオーブンの火照りもしらない
けれど追いかけたりしない
食パンにまかせて
いいとおもう
....
―動物園のライオンが言った
この間 サバンナとかいう所の夢を見たんだ
ワシはここで生まれ育ったから
どんなところかは 実際知らないのだがね
それでも何だか心地好くて
高い空と草の匂いが
....
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旅行者のトランクの中には死者が入ってる 閉鎖された事務所の机の下には死者が入ってる 金庫の中にも死者が入ってる 下水が道路と交差する暗くてよく見えない場所には死者が入ってる 重たくて動かす気にも ....
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