{引用=鳥たちよ}
ヒヨドリが鳴いた
喉を裂くような声で
天のどこかを引っ掻いた
それでも皺ひとつ寄らず
風の布は青くたゆたい
樹々の新芽を愛撫するが
ささやき返す葉はまだない

公 ....
なぜに貴女は故郷を捨てるの
半世紀生きたこのふるさとを

ただ人恋しくて
愛してもらいたくて
僅かな優しさを拾って

それでも満たされず
誠の愛をさがして
ふるさとを捨てる貴女
 ....
 雨の朝、
キセキレイのつがいが、なにかを喋りながら、びんびんと尾を振り、
アスファルトと土の狭間の何かを啄んでいる。
鮮烈な黄いろと少し曇った白色の背中が、美しく雨に映え、
コケティッシュで ....
ふいるむ の 
中のような 
駐車場 ベンチで
妻の握った、
大きなおにぎり もぐもぐ食べる
ひとり
昼休み

食べているのに痩せてゆく
ということが起こる
なぜそうなのかは分 ....
{引用=ヴィーナスの骨格標本}
ぼんやりした横顔に秘密がひとつ擬態する

ぼくは夢に絡まったままコーヒー自殺を図った

飛行機に乗る人とよく目が合う朝

青く濁った空の吐瀉物からなにを紡 ....
差し出された命より軽い全世界の質量を感じながら、
眠っている猛獣と眠れない赤ん坊がいる。

不釣り合いなそれは、論理の苦手とするところで、
寛容な精神という無理によってのみ許容される。

 ....
君と話していると
長くなるのに
不思議と糸は
短くなる

見えなくても
繋がっている
電波を受けて

隣にいるような
小さな声で
しゃべらないと
夜に逃げられるから

伏せ ....
「ツーー」という敬虔な高音が静かに聞こえ、その声で目が覚めた。遠慮しがちに、つぶやくように鳴く、トラツグミの声は次の季節を知らせにやってきていたのだ。
横書きに延々と描かれ続けた読点のない冬の除雪作 ....
room

おばけのいない部屋で
ただ古くなっていく手紙
埃が不在をあらわしてはいるが
ひょっとしたらそれは
私から君が
朽ちて無くなるまでのオールド・スリープ


letter
 ....
{引用=ラブソング}
ひとつの風景の前に立つ
触れそうで触れない
右の肩と左の肩
あなたはわたしの
わたしはあなたの
鏡像――大地の無意識から
掘り起こされた太古の心象
願望に歪みふく ....
どこかに
負の生命体が惹かれあう
磁場があるのだろうか

変化の胎動は
終焉の胎動でもあり
虫が先々を急ぎ
蠢きだしていたのだ

狡猾な罠に気付かず
煌く夢におびき出され
重鈍な ....
{引用=老けてゆく天使}
明るい傷口だった
セックスはままごと遊び
片っぽ失くした手袋同士
始めから気にしなかった
一個の果実のような時間
なにも望まなかった
白痴のように受け入れて
 ....
リビングのソファからずり落ちて
あなたは床で眠ってる
軽く蹴ってシャワーに向かう

まだ6時前だけど
ファーマーズマーケットは賑わってる
「なんでみんな早起きなんだ?」
「7時には売 ....
{引用=カラスのギャロップ}
北国の春は犬連れでやって来る
ぬかるんだ地の上を
着物の裾を汚しながら遅れてやって来る
太陽は雌鶏
ぬかるみが半分乾いたころ目覚ましが鳴って
あとは忙しく吹い ....
山育ちなので 傷は自分で嘗めて治した
月がしだいに瘦せ細り また少しずつ太るのを
薄目を開けて時々見ながら
朽ちた倒木の根元の洞に潜り込み
飲まず食わずで幾晩も

痛みは知りません 傷つい ....
その大きな屋敷にわたしの兄姉はいた
少しだけ血が繋がっていたので
わたしは右手で彼らは左手と思うことにした
左手を使う時彼らを思い出した
出されたデザートの皿は欠けていた

兄はとても器用 ....
雪は身じろぎもせず降っていた
無人駅のホームはすでに雪で埋め尽くされ
その明るさはほんのりと
ともし火のように浮かんでいた

ストーブを消し、鍵を閉める
無人駅の除雪番からの帰りしな
積 ....
{引用=冬の髪の匂い}
雪の横顔には陰影がある
鳥は光の罠に気付かずに
恐れつつ魅せられる
歌声はとけて微かな塵
雪はいつも瞑ったまま
推し測れない沈黙は沈黙のまま
やがてとけ
かつて ....
   水たまりから最後の水が青空に消えた
   衣魚しか残されていないさびしい真昼

   通夜の夜は深くて暗い
   弓状の
   波打ち際を
   いつまでも
   ねむりは ....
眠たくて曖昧になるその日々に黒子のように星が散らばる。



電気信号が信仰した天使 電信柱たちに遺伝子。



根も葉もない花を咲かせて尾鰭付き一人歩きするみんなの肴。


 ....
流れ星のように
想いに、
ことばが降ってくる
それを書き留めようと
ことばを反復する

あいうえお
かきくけこ
さしすせそ‥‥
――ちがう、
そんなことばじゃない

もっと赤く ....
鍵がない
財布もない
めがねはどこかな
ひたいの上だ
屋根がない
伴侶とはなに
価値観ということばに空まわり

焦ってなくしてばかりだよ
知らないものは伝えようがない
感じないもの ....
{引用=衝突}
虚空をただひたすら遠く
時の道を踏み外すところまで
それとも落下
全ての存在の至るところ
深淵の 
真中の
針先で穿たれたような一点へ
そんな慣性のみの
生の旅路であ ....
仮寓の蝸牛には
やり残したことがいっぱいあるのだが

奇遇という気球に乗って
無音の空の旅をしてみたかった

修羅場という修羅場がなくて
絵になる風景も知らずに

雑踏に紛れて遺伝子 ....
─まいにちうまれるものたちが
─まいにちしんでゆく

眠り、浅い夢からさめたような春の予感のする少しつめたい風が、名付けられているはずなのに誰も名前を知らない雑草の頭を、さあー、と撫でてゆく放課 ....
人の人の波が群れが
皆ぞれぞれの方角を向き
時々それが出逢い擦れ合い
火花を目映く飛ばしても
漁火の夢のようにすぐ消えてしまう

僕は一人だ
この人群れの中にいて
砂漠の深淵のような
 ....
寒空にさらされたタオルが一枚

人の気配がしないベランダに
タオルが一枚だけ干されている
顔や手を拭くサイズのタオルは
新しくも古くも見えない
ただの白色のタオル
なぜほかの衣類などはま ....
床暖房に腹ばいで熱燗を飲んでいる
外は激しい吹雪


絵の具の花の赤い一行が見えた
わたしの一番小さいマトリョシカは神隠しにあったまま
帰らない 
夜の袋にしまわれたまま
アカシアの棘 ....
   ふかい海底の安定した場所に家を建てると
   いらなくなった身体器官を
   つぎつぎと捨てて
   ついには脳まで棄ててしまう
   生物がいる
   怪物でも
   妖怪でも ....
腕を伸ばして八月にふれて

燃えるようないかり
凍えるようなひかり
喜劇みたいな夕焼けへ溶け出す劇


どこにもない空を見上げる
腕はそこら中
肌に居た
まだ晴れることのない青空
 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7488)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不憫な子_そう呼ばれたかった大人たち- ただのみ ...自由詩6*22-4-17
故郷を捨てる貴女- 松 けい ...自由詩2*22-4-16
日々の生活- 山人自由詩11*22-4-16
(ふいるむ)- 田中恭平 ...自由詩322-4-15
平和主義者の丑の刻参り- ただのみ ...自由詩3*22-4-10
モノクローム- TwoRivers自由詩6*22-4-8
糸電話- ミナト ...自由詩122-4-8
トラツグミ- 山人自由詩7*22-4-6
rainy- あすくれ ...自由詩822-4-4
アルカイック・モノローグ- ただのみ ...自由詩2*22-4-3
変態- 山人自由詩6*22-3-28
パンドラがあけた大きい方の玉手箱- ただのみ ...自由詩5*22-3-27
日本は桜が咲きました- mizunomadoka自由詩222-3-26
言葉の煽情的ボディライン- ただのみ ...自由詩10*22-3-20
水脈- Lucy自由詩1322-3-1
軋む- ふるる自由詩922-2-8
ともし火のような無人駅をあとにして- 山人自由詩17*22-2-5
ポケットには丸めた鼻紙だけのくせに- ただのみ ...自由詩5*22-2-5
遅れて届いた弔辞- 山中さん ...自由詩10*22-2-5
宝石のように眠たい- 水宮うみ短歌9*22-2-3
ことば- atsuchan69自由詩4*22-2-1
なくしもの- soft_machine自由詩322-1-31
泥棒する青空- ただのみ ...自由詩5*22-1-30
蝸牛のうた- マークア ...自由詩19*22-1-25
風化する放課後の- ちぇりこ ...自由詩8*22-1-5
ネフスキー通りで- Giovanni自由詩5*22-1-5
タオル- 坂本瞳子自由詩2*22-1-4
火傷と神隠し- ただのみ ...自由詩4*22-1-2
天地崩壊- 山中さん ...自由詩12*22-1-2
晴れない- 水宮うみ自由詩3*21-12-28

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