捨てられた砂漠と
魚釣りにいく
嵐が来たらしく
船が幾つも 幾つも
夏の虫のすべての死を
並べたように
海を埋めつくしている
防波堤から
最初の船 ....
たとえば鉄の味のする夜に
街がプラタナスの樹木にかわってしまうと
ひしゃげたかみひこうきが
ポストに突っ込まれる
それを開いてみると
不在票と書いてあり
ぼくに郵便物があって
差 ....
月は
クレーターの刺青から
見えない血をにじませている
朽ちた古代都市のようだ
とても静かだが
魂がざわめいているのか
存在を感じる
あるいは
夜の空に穿たれた眼球
うらがえる狂った ....
T+74.130
Last radio signal from orbiter.{注*=Challenger timeline(UPI)}
切断された管をたなびかせながら
放物線を描いて ....
1 2