さかしま に
決壊した真昼の
いっさいの裂け目に
わたしたちの、崩落した
白い希み
が、滴り
直立した灰、の
凪いで 碧さ
のきみは 等しく
舗道に轢かれて
いる
* ....
すぐに俺の性質によって打ち消されるそれを、ただひたすら肯定されてみたい。肯定されたい。ずっと肯定していてほしい。「肯定してほしい。」口に出した事はない。しかしずっとそう思っている。
肯定され ....
咲いてた 道のすみっこで
少しだけ みれた
ひまわり 笑っていた
わたしを わらっていた
夏がきてるよ 何してんのって
ひまわ ....
ホッチキスでそこかしこ、ぜんぶ
とめてしまって
空気穴だけ用意して
わたしの世界はありました
かまきりのたまごをみつけたんです
虫が嫌いなので水に沈めて
そうしてたまごは全滅してし ....
教会にいく日曜日まで
まだ何日間かあった朝に
ぼくはゆびさきにひとつ
ひとつ、あなたに纏わる
ことばをつけて
黒目の上にのせていた
瞼の裏側に一文字だけ
引っついて、痛がゆく
なっ ....
七月
プルトニウムの夏
音の無い朝
人の無い街を
私が歩いているのだとすれば
青い大気の海底を
もはや足に濃い影伴れて
日輪は黄金の鏡を向けて
絶対無関心の触手をば ....
1.
己れ、にだけ
忠実であろうとした女の
左腕は今朝 彼等の海へと
絡みついたままもげ
その、断面からは黒く冷たい
叫びごえが鳴って
ロスタイムの合図とする
2.
....
なんでも持っているひとっていいよね。
と、友人が言うので、
たしかにそうかもしれないけど、なんでも持っているひとを見たことがない。
と、返した。そうしたら、
あなたは、なんでも持っているじゃな ....
今朝がた夏を刻み終えた男の全身を漂白してベランダに干したところだと云う
熟すことも腐ることもなく ただ 秋がくればカサカサと鳴るだろう
できることなら、血の匂いのしない図鑑をくれ 魚鱗 ....
ひとりじめする贅沢と
分け合える幸福
ナナ、ぼくたちは、
ひとりでは幸福になりにくいみたいだから
壁の白さに飽きたら
青空のしたに降りといで
ナナ、
世界は用意されて ....
朝からチョークで
線を引いていた
家にチョークで
線を引いていた
夜に引いた線が
触れられたり踏まれたりして
薄く消えかかっていたからだった
ぴょんと飛び越えたり
軽く跨いだりして ....
学生のころ帰省の旅費を稼ぐため、廃材の釘抜きのアルバイトをしたことがある。
真夏の炎天下で一日中、バールやペンチを使って材木の釘を抜く。ただそれだけの単調な作業だった。
毎日、早稲田から荒川行 ....
くれよんの中でも
はだいろがへりやすい
おさない頃は
けしきよりひとをかきたくて
いっぱいいっぱい
はだいろをつかうけど
あれはなにいろだっけ
怒られるような
名前のくれよんは
なに ....
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