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なう
君が例えば悪人であれ 分かりっこないんだ
それと同時に 君が秘めてる悲しみとかもね
友達だと思うよ そんな曖昧な感じが落ち着くね
君も僕もきっと 踏み込まれたくない領域を持ってるから ....
{引用=
せかいのあちこちに
内緒で敷かれている
内緒の線路を走行する
打ちっぱなしの
コンクリートの
でっかいとんねるは
せかいの中身を
くり抜きながら
こわれた部分を直して
....
明るい空から
さわさわと緑の雨が降るから
おまえの誕生日は
いつも濡れている
水色の
ローラーブレード
畳の上で
肘あてや膝あての
具合を確かめている
それは
おまえを守るため ....
100519
満員電車で饅頭を運ぶときは
潰されないように気をつけなさい
あたりまえの注意を背に
饅頭を詰めた蒸籠を運ぶ
人でな ....
目が腫れるまで
言葉をつぎはぎして
しんぞうとのうみそを
縫い合わせておきたかった
調和と統合と平和の
マルの中で
哲学から解放されたかった
天地がひっくり返って、
宇宙人が攻めて ....
放課後、屋上に呼び出され
どこにいるのかと見渡したら
彼女はコンクリートにうつ伏せていた
近づくと、目を閉じた横顔のまま
私の輪郭を引いてくれないか、と
きっぱりと言った
よく解ら ....
花が咲く頃
にわかに、雨の降る頃
私達
また会いましょう
気がつけば
優しい命に守られていた
夢は近く
本当に、ここにいた
....
「かんちゃんはさぁ」
まどろんでた保健室で突然に話しかけられたんだっけ。
アダムとイブがどうとか、
ノアの箱舟がどうとかこうとか、
新約聖書と旧約聖書の区別もついてない私には
さっぱりわ ....
「オクターブ」という
ぼくの素敵な詩友の本
表紙を照らす
オレンジの陽だまりが
不思議な熱で
夏風邪に冷えたぼくを
温める
頁を開くと、追悼詩。
若 ....
あのさ
君にはずっと黙っていたんだけど
実はね
僕は土星人と暮らしているんだ
あっ
いつものつまらないジョークなんかじゃないよ
それと
僕はたぶん正気だから心配しないで
えっ
ヒ ....
野球を見に行った
試合の途中
本日の入場者数がアナウンスされて
僕が生まれ育った町の人口ほどだった
思わず観客席を見回すと
そこには
懐かしい人ばかりいるような気がした
当 ....
なんか嫌な予感がして
目を覚ました。
ら、オッサンが枕元に正座しており。
めんどくさいけど突っ込んだら神様だって言う。
これ水木しげるの世界きたよ。
貧乏神か貧乏神だなと問い詰め ....
さようなら 風
ごきげんよう いのち
あなたのすきとおったあつみ
やぶれるようにさきなさい
猫になりたい
と思った
近所の公園に行った
が、逃げられた
ので不採用
魚になりたい
と思った
海に潜った
が、溺れた
ので不採用
学歴はあった
求人雑誌ひろげれば
....
ブリキのおもちゃのような観覧車には
昭和の絵本の動物たち。
ぼくたちは運よくパンダの箱に乗ることができた。
小学生の頃亡くなったきみのお母さんが下にいて
きみの左手はぼくの手を握り
ぼく ....
喫茶店の中は
小さなロッジを思わせた
ランプの橙色の明かりは
それでもやはり薄暗くて
カウンター席の後ろでは
まだしまわれていないストーブ
季節に似合わなくても
この店には似合ってい ....
私は時々
雑踏の中へと
足を運びます
人々の声と
足音と
それらのざわめきから
あなたのささやきが
生まれてくるようで
太陽の熱で
大地から水蒸気が昇り
その粒は集まって雲 ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。
そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。
「わたし、電車が大好きなん ....
黄昏だけを掻き抱いたんだ
わかってもらえるかな
あなたがむかしひいてたアイライン
その色を選んだのと同じ理由
この気持ち
それを伝えたくて
「空は太陽を愛して、そ ....
さくらがみたいのと
おまえは呟く
けれども
おまえの為に
こんな時期に
桜は咲いてくれないのです
ようちえんにいきたいの
とおまえは呟く
しかし幼稚園は日曜日に ....
母が二階で
掃除機をかけている
天井が振動
する度に埃が落ちる
右側の窓を
あけておくのを忘れてしまった
閉めっぱなしでは祖母が
家の中に入ってこられないのに
....
ときどき僕は、まだ羊水の中で
少し離れた場所から聞こえる声に
そっと耳を澄ませている気がする
それはまるで子守り唄のようで
鼓膜を揺らすほどでもない
優しさを持っている
と ....
金木犀の
金木犀の
花の陰が
心にはらり、落ちてゆく
この道は
この道は
いつに辿ってきたのでしょう
金木犀の
金木犀の
花の香は
昔にかよう
消えかけた
面影一つ ....
あれ、
この花火どうしたの
おかあさん もらったの
今日はけんちゃんの命日だからね
買ってきてもらったんです
こんな暑い日だったの
戦死公報に載ってただけ
亡くなった ....
その朝 北の窓辺のカーテンは ゆっくりと
大きな呼吸した
潮の香りは
「訪ねよ さすれば 息つく夜を捧げよう」
鳴く鳥に委ねた
わたしは
一日中 呼吸していた
呼吸する潮の香 ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
俺コンビニ入り口付近にある紫色の蛍光灯にバチッとやられた羽蟻
命って一瞬なんだな
煙草吸ってるおっさんその瞬間を見てたけど
おっさんボーっと宙を見つめるばっかりで何のリアクションも無かったな
....
路地でしくしく泣いてる人がいた
黒いマントに身を包んだ
綺麗な銀色の髪をした人だった
気になったので声をかけてみたら
彼は自分を魔王と名乗った
私は魔王を家へと招待した
縁側に座らせて ....
こころの機微をおひとつ、どうぞ
かわりに今後もよろしく、どうぞ
わたしの背後のあれこれの
言い尽くせないあれこれの
混じり気のない よろず味
恥ずかしながら
....
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら
寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
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