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秋とは肩を寄せ合い歩きたい
約束なしで出会っては
流れの渦に留まり続ける
紅葉とイチョウの落ち葉のように
ゆっくりと語り合いたいものだ
何一つ声に出すこともなく
....
万物が一つの花ならば
誰が愛でてくれようか
蕾のままに枯れて逝く
誰が涙を流すのだろう
....
いつも猫ばかり見ている
静謐な佇まいに時を忘れ
衝動のまま自らを由とする様に息をのみ
猫という美しい獣に憧れ続けている
わたしは悲しい犬
どれほど否定しようとも
....
ロマンチストはどの時代にもいる
ここにも一人
彼はインチキ古物商と素人骨董愛好家の一人二役だ
誰もが経験するようなありふれた出来事を
時を超えて微笑みかける
運命という名工の作として ....
書きたかった
ずっときみのことが
心臓が血液を押し上げるように
月が魚を狂わせるように
まるで澄まし顔の
未開の詩よ
ことばの装いと枷とはわたしのもの
やがて旅人でしかい ....
大海原の真ん中で
立ち泳ぎ
途方に暮れて日も暮れて
せめて目指すべき陸地が見えたなら
それが遥かに遠くても
そこに向って進もうと
いのちの限り泳ぐだろう
だが今 四方八方
....
山ぶどうに覆われた丘陵地沿いに車を止め
アキアカネの静止
止みきらない雨
昼から夕へ傾むいてゆく
キリギリスたちの単調なコーラスに
ヒヨドリの絞り出すような歌声が響いていた
この辺りの ....
夜よ ご機嫌麗しゅう
少し話していきません
ぬるい時間をちびりちびり
ロッキングチェアで揺られるような
取りとめのない浮世のことを
露出狂の政治家たちが
脂っこいことばを吐き出してはそ ....
何かを失うということは
あまりにも日常的なこと
そしてそれが二度と戻らないことも
人が自ら行おうとする
生活に必須なこと以外の多くは
これらの穴埋めや消失感の緩和のため
それが ....
垂直な光のピンで留められて
横たわる朝は散乱した昨夜の屍だった
まだ誰もいないスーパーの駐車場で
ぬるい風が砂埃を吹き上げている
一匹の小さな蛾が
逆らいながら飛んで行く
....
何かを言おうとしたまま
羽蟻に覆われて行く 月
寝苦しい夜の何処からか
微かに 悪寒が流れ
顔を隠した二人の忘却が
そっと 水浴びをする
乳房のように膨らんだ闇
白い 流 ....
こわれたラジオの部品とか
いろんなガラクタくっ付けて
こさえたぼくの宇宙船
飛ばないことは百も承知さ
けれども心は飛んで行く
誰も知らない惑星へ
わたしたちは飽きもせず
あちらこちら ....
暗闇
日は陰り片隅に小さく蹲り
音は次第に存在を増す
そして閉ざされた門の中で響き渡る
かくれんぼの鬼のように
孤独に数えられる
何が見える(ざわざわと)何も(ごうごうと)
見 ....
小さな子供のやわらかな髪を
指でやさしく梳かすように
風は愛撫する
幼いころから見慣れている
名も知らぬ野の草花を
市営住宅が建ち並ぶ
隙間の小さな芝生の上
心地良さげに ....
読みつかれて ふと
雨音に包まれて
物思いに耽る蛙と
草むらに潜む
文庫の中は
土砂降りの文字
連なり意味成し物語り
意識下に滲み濾過されて
何を読みたいわけでもなく
....
幼い心をこじ開けて
あなたは痛みを植えて行った
悶え苦しむ年月
綺麗な嘘で幾重にも
痛みを包んで行った
いま この心に抱いているのは
ぞっとするほど美しい
....
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る
あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす ....
日傘を差した女の影が
歩道の凹凸を滑って行く
踵を返す青い熱帯魚
フルートの鋭い閃光
アイスピックを ....
おれは殺風景
がらんどうで埃濛々
だから昼の檻に閉じ込められた
オオミズアオなんか見つけると
こんな錆びついた工具のような手をしながら
そっと 捕まえてみたくもなるものさ
....
トラブルが起きると
誰かが泥をかぶる
誰かが猫をかぶる
噂が流れる知ったかぶる
怒りにブルブル
やがてはブルー
シンプルなことだ
プールの中で眠る
プルト ....
夢から覚めると
午後は陽炎の中 寡黙に佇んでいた
翻る あなたの影だけが冷たい魚
見も知らぬ者同士 これが
いつかの夢ではないと言えるでしょうか
ひび割れた心象が決壊する時
....
雨に濡れたアスファルトに
並木のみどりが映っている
言葉に餓えた人たちが
傘に隠れて哭いている
雨は涙に良く似ている
昼は処刑台に良く似てい ....
さくらんぼの花が咲いている
うっすら目を閉じ微笑んでいる
ソメイヨシノのような艶やかな色香はない
浮世を忘れようとその下で酒宴を張る者もいない
白く清楚なその花は
....
目覚め
悪意が芽生える その刹那
化粧
七色の砂嵐は旅人の死を覆い隠す
時は
ナイフのように刻みまた削る 皺を 記憶を
残された心拍数を
図書館で
昼過ぎまで文字たち ....
大惨事が起こるその瞬間
世界は目を閉じる
そして
後からくる絶叫の前に
世界は耳を閉ざす
やがて
時間という距離を経て
世界はそれを歴史と呼び
記念碑を建て記念日を定める
見もし ....
朝日はね
特に良く晴れた日の朝日はね
そりゃあもう別嬪さんで
たったひとりで見ていると
もったいないような
独り占めできてうれしいような
不思議だね おれは
新しい朝と結婚したくなっちま ....
インターホンの向こう
奥さんの返答が聞き取れなくなる
営業妨害の嫌なサイレンだ
気がつけば風にのって煙の臭いが満ちてくる
ますますサイレンが近づいて来た
火事だ!
道路向か ....
四月 灰色の午後
湿った雪が舞っている
人生で何度目のことだろう
心は鉛の錨となり
失望の海に深く下ろされてい ....
突風が春の入城を告げ知らせ
冬の残党は最果ての地へと追われて行く
変わることなく季節の車輪は廻る
時のレールを 一方向に
樹木もまだ裸のころ
花よりも先に咲く少女たちは明るい色の服を纏い ....
心の中では土足で暮らし
裸足で世界を歩き回る
ぼくは人間
月のように出たり隠れたり
雨になりまた雲になる
そんな人間
あなたもまた一個の太陽
少しずつ周りを温めながら
....
subaru★さんのただのみきやさんおすすめリスト
(76)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
秋の気持ち
-
ただのみ ...
自由詩
19*
12-9-23
____________夕日のように微笑んで________ ...
-
ただのみ ...
自由詩
26*
12-9-18
憂鬱の鎖
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-9-10
ろまんちすと
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-9-5
未開の詩よ
-
ただのみ ...
自由詩
23*
12-9-2
遥かな灯
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-8-26
境目も変わり目もなく_ただ足音が響くだけ
-
ただのみ ...
自由詩
14*
12-8-22
夜よ_ご機嫌麗しゅう
-
ただのみ ...
自由詩
13*
12-8-19
遭難者の筆
-
ただのみ ...
自由詩
13*
12-8-14
僕が君を一匹のみすぼらしい蛾に譬えたなら
-
ただのみ ...
自由詩
24*
12-8-9
冷熱帯夜
-
ただのみ ...
自由詩
21*
12-8-5
ガラクタ宇宙船
-
ただのみ ...
自由詩
23+*
12-7-31
裸の世界
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-7-27
夏のこどもたち
-
ただのみ ...
自由詩
24*
12-7-24
雨読物語
-
ただのみ ...
自由詩
34*
12-7-19
ある愛のかたち
-
ただのみ ...
自由詩
17*
12-7-14
希望の詩
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-7-9
白昼夢
-
ただのみ ...
自由詩
25+*
12-6-19
光が煙のように立ちこめていた
-
ただのみ ...
自由詩
17*
12-6-17
馬鹿王子と毒リンゴのパイ
-
ただのみ ...
自由詩
20+*
12-6-3
心の向こうで絵を描いているあなたへ
-
ただのみ ...
自由詩
36*
12-5-28
映したものは
-
ただのみ ...
自由詩
18*
12-5-17
母の日に
-
ただのみ ...
自由詩
18*
12-5-12
毒の香水
-
ただのみ ...
自由詩
13*
12-5-6
遠く逆光を浴びた背中からは
-
ただのみ ...
自由詩
11*
12-5-2
黄金の花嫁
-
ただのみ ...
自由詩
28*
12-4-22
その笑顔が忘れられなくて
-
ただのみ ...
自由詩
14*
12-4-16
__尽きぬ恵み
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-4-7
遅れる時計
-
ただのみ ...
自由詩
15*
12-4-1
尊厳は人を手放しはしない
-
ただのみ ...
自由詩
9*
12-3-25
1
2
3
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