携帯の明かりが照らす叫び声音もなく声かける人もなく

刺す冷気窓際からの匂いかな不定期深夜慟哭時間

エアコンの熱暖かく吹く風の色に育てよベッドの蚕

芸のない男の指がただ紡ぐ言葉が消える ....
ママの手は
てんごくのにおいがすると
五つの子が
うっとりとして
わたしの手を離さない

てんごくも
じごくも
絵本のなかに
出てきたね

てんごくに
匂いがあるなんて
知ら ....
あたしばかだから
と言って
わらっていた
女の子

あたしばかだから
と言っても
泣きはしなかった

あたしばかだから
いっぱい考えるの
と言って
わらっていた

水たまり ....
私が
こうして
文字を綴るのは
この
鉛筆の芯がなくなるまでのこと

あれ
もう芯がないや、と
気づいてしまうその時を
想像すると
やはり切なくなくなるけれど
きっとその朝は
 ....
夜が来るほんの少し前
西向きの部屋には
橙がふんだんに降り注ぐ
いくつもの賭けをした

あの坂道を
はやくのぼりきった方が勝ちだ
瓶入りのコーラを賭けて

角の犬に吠えられたら負け
一杯の牛丼を賭けて

先に恋人のできたほうが勝ちね
きれい ....
コーヒーがcoffeeでもなく珈琲で
カフェがcafeでもなく喫茶店で
レトロなものがハイカラだった頃

右肩上がりの時代はもう終わってしまったのか
無気力を必死に押し留めようとしながらも
 ....
やさしくありたい
でもやさしさって何
あなたのやさしさは十年前の私には届かなかった

星の光のように
遠くからやっと届いたんだ
今そのぬくもりをゆっくり吸い込んだ

もう愛の押し付けは ....
およそエゴイスティックな文学的な理屈をこね











人間がヒトが元来摂るべきタンパク質や水、並びに愛を

 ....
「ゆたか」の女神は

いつもそこにいて

しずかに

私たちを待っている


私たちは

本当の「ゆたか」を知らずに

にせもので嬉しがっているから

「ゆたか」の女神は ....
遥か昔
幼い私は壮大な夢を見ていた
それを露ほどにも疑わずに

歩いていける
このまま まっすぐ
ずっとそう思っていた

いつからだろう
疑うことを覚えたのは
皮肉ばかり呟くように ....
美しすぎる貴方を
自分の躰の一部にしてしまおうと
よこしまな私は
咀嚼して貴方を消化した。
水瀬游さんのおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
深夜叫劇- きーろ短歌2*13-1-17
てんごく- そらの珊 ...自由詩26*12-3-14
あたしばかだから- はるな自由詩912-2-26
風の棺- そらの珊 ...自由詩20*12-2-6
打ち捨てられた橙に- れもん自由詩611-7-5
坂道- はるな自由詩511-6-27
昭和のかほり- れもん自由詩8*11-6-6
やさしさを贈りたい- れもん自由詩6*11-5-8
そういう真似は金輪際- TAT自由詩211-3-20
ゆたか- くろきた自由詩111-2-1
あの日の私と- れもん自由詩311-1-10
薔薇を喰らう。- れもん自由詩310-8-25

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