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ぼくは沸騰するスープである
ジャガイモが崩れていく
ぼくは真っ赤に茹で上がる毛蟹である
苦しさに前脚を伸ばして泡を吹く

底から熱せられていて
二重の蓋がかぶさる
重くてもちあがらないで ....
地上で使った資料の多くを海の藻屑にする



書斎は浅い海の底
侵食された岩の本棚に
小さな貝が貼りつく
整理された書斎には
イソギンチャクや
蛸や珊瑚が棲みつく
海面 ....
笑うと金語楼になると
細くなった母の目を
指さしながら父が笑う
明るいさざ波が立って
子どもたちの顔まで
福笑いの目になる
母が笑う日は少ないが
その笑顔はぼくの
胸の引き出しにある
 ....
夏の朝
海浜へ続く道
サンダルと
ランニングシャツで歩く
道端に月見草が揺れる

雲が盛り上がっていく
形が何かに似ている


腕がのびて
腰がひろがって
口が開いて
何 ....
雲を帽子に四人の巨人が
千住の街に立っている
頚に銀色のネクタイをつけて
黒い服を着ている

ぼくが手をふると
こちらをみおろす
狭い路地に入っても
のぞいてくれる

走る電車の窓 ....
あるけるけれど
おぶってちょうだいと
おかあさんに
おねがいしたの

いいわよといって
おかあさんは
おぶいひもをだして
せおってくれた

秋の日よりも
あたたかい
おおきなせ ....
締めきった部屋の中にいて
小さな風を感じる
どこからきたのか
あたりをみまわす

ベッドで寝ているぼくの胸を
よぎる小さな影
どこからきたのか
窓に仕切られた空を見る

独りのとき ....
胎児

鰓で呼吸していました
母が引越しのための交渉している
子宮の中が狭苦しくなったので
ぼくはからだを硬くしました

誕生

はじめて空気が
喉をとおったとき
胸が裂ける痛み ....
たまさんの殿岡秀秋さんおすすめリスト(38)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
二重蓋の圧力鍋- 殿岡秀秋自由詩912-3-15
海底の書斎- 殿岡秀秋自由詩1112-2-15
母の笑顔- 殿岡秀秋自由詩1112-2-1
雲の人- 殿岡秀秋自由詩612-1-17
お化け煙突- 殿岡秀秋自由詩911-9-15
秋の日のぬくもり- 殿岡秀秋自由詩411-8-1
どこからか- 殿岡秀秋自由詩611-3-1
呼吸期- 殿岡秀秋自由詩811-1-18

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