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二本の渦の樹
鳥の声にまたたく
河口の骨の陽
波に波を描いてゆく
誰もいない路地をちぎり
原へ原へ撒いている
やがて生える光
水をまさぐる葉
消えてはお ....
目をつむれば
かたちは動く
ふちどりに触れる
濁音の息
風から風へ
羽と脚
枝のなかの重力
踏むごとに星の曇
やまない雨をなだめながら
手のひらと ....
蝶を呑んだものの肌に
蝶が現われ
真昼の終わりまで
話しつづけている
小さな音の
まわりだけの冬
鳥は追う
羽を忘れる
石の径の影
曇のなかの声
....
金属の筒が
激しく回転している
曇の下に震えはひろがり
鳥は去り 雨が来る
一枚の羽 一枚の影
止まった時の重なりのなか
ひとつの声だけが声に到き
ひとつの滴の姿 ....
背の羽の刺青
岸壁の火
光と冬 足もとに
砕けゆく音
蝋の曇が
水面を覆う
地の足跡は空へつづき
雨と雪に満ちてゆく
暗がり 水たまり 分かれ道
....
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