すべてのおすすめ
座禅

靴下を裏返すように
自分の端をつまみ
引っ張ってひっくり返すと
私は
闇に包まれ
遮音され
触覚も
痛覚も
温点と冷点もなく
声を出すことも
食べることも
匂いを嗅ぐ ....
乳児用の細軸綿棒で耳掃除をすると
耳の奥深くに綿球が入り込み
ふつうの綿棒では届かない部分で感じるわずかな痛みと恐怖が
心地よい

目には見えぬ自分の鼓膜付近で
薄い皮膚と細い紙軸の綿棒が ....
父がハーモニカを吹く
孫らに
子らに
万感の思いを込めて
「花の街」を吹く

私は父が奏でるハーモニカが好きだ
80歳になっても奥深い響きは変わらない
何十年経っても変わらない響き ....
今日のために
昨日を生き
明日のために
今日を生き
夢のために
明日を生きる

でも

私は知っている
昨日も今日も明日もつながっていることを
だから本当は昨日も今日も明日も ....
夜の闇は恐ろしい
目の前に何がいるかもわからないのに
自分がここにいることだけがはっきりしている

いっそ
自分も含めここに何がいるのか
誰も何もわからなければ
よかったと
闇の中 ....
春の日射し
山間の里
富士の清水の恵みを人々に振る舞う
酒蔵の蔵開き
心に沁みる酒
わさびと酒粕のかおり
皆の笑顔と笑い声

一年振りの再会は
社交辞令の欠片もなく
互いに肩を ....
もうカーテンは暖かいよ

朝の日差しは
ひっきりなしにカーテンを暖めてるから
カーテンは暖かいよ

カーテンをさわってごらん
とっても暖かいから

暖かいカーテンは
冷たい指に ....
灰になって
二酸化炭素になって
NOxになって
SOxになって
PM2.5や
温暖化や
酸性雨に
荷担するくらいなら
土の中でミミズの餌になりたい
命の糧としてこの土に戻りたい
土 ....
  開き箪笥の蝶番がこわれたの

そう言えば10年前にもこわれたな
  
  今度は違う蝶番

貧しかった頃に買った
安価な開き箪笥の蝶番は
僕たち家族の生活を
ささやかながら支えて ....
【人間】
初めてのアルバイトは中学1年の冬休みだった。
親戚の雑貨店でのレジ打ちの仕事だった。
年末のある日、事件は起きた。
その日の昼食後、レジに戻ろうとしたら、おばあさんが
お茶碗を買い ....
入社一年に満たない
まだ未成年の君が
機械に上半身を突っ込んで
型替えを行っている姿を見ていて思う
もう一人前のオペレーターなんだ

ちょっと前までは怪我しないか
とても心配だったけ ....
カレーを作ったが旨くない

入れるものは入れている
ジャガイモ
人参
玉ねぎ
にんにく
鶏のもも肉
そして 
いつものインスタントのルー

毎度のことなのでいいかと思ったが
ち ....
自分に催眠術をかけようとして
5円玉に糸を通してぶら下げて
目の前で振り子運動をさせて見ていたら
気がついた


振り子の重りがどんなに軽くても重くても
振り子運動の往復時間は同じ
 ....
空気があっても
水があっても
土があっても
風があっても
それだけでは命は生まれない
初めの何かがないと

その何かを
私たちは

と名付けた

愛は命という愛の流れを引き起 ....
もうただ怒ることはやめた
自分にも
他人にも
一時の感情で怒るのはただの急ブレーキだから

僕はもっと前に進みたい
いつもゆっくりアクセルを踏んでいたい
楽しくハンドルを回しながら
 ....
摂理という美の魅力によって
自然は不思議という概念を創造した

ある石は固く曲がることはない
ある石は蒟蒻のように柔らかく曲がる

甘い蜜でしたたかに誘う花もあれば
容赦なく殺す毒を持つ ....
親の愛は一方通行
親の愛は報われない
親の愛は狂気
親の愛は空気
親の愛は無償の愛

親はあくびをしたとき
人間的である
午前2時
風にのって同報無線が聞こえてくる

行方不明の方の情報が明かされる

パジャマ姿 86歳のおばあちゃん

念のため外へ出ると
パジャマではとても耐えられない寒さだ

そん ....
一見汚い泥であっても
視野を狭くしていくと
そこには
純水や二酸化硅素の結晶がキラキラしている
時にはレア・メタルのような高付加価値物質もある

でも僕の視野では
地面にある泥にしか ....
そんなに
目を点にして
俺を見つめるなよ

普段父親らしいことしてあげらないけど
週末はできるだけ帰るから

だから
あんまり俺を見つめると
鼻をひん曲げて
目隠しするぞ
   私っぽい 
   と変換しようとしたら
   綿しっぽい 
   になったので 
   採用します


夢の中で元妻が
やっぱり子供をつくればよかった
と笑いながらいうので
 ....
  「無理です。」

こんな言葉を最近よく聞く
そういうとき僕はいつも同じことを言う

「本当? やってみないと分からないんじゃない?」
「失敗してもいいじゃない。」

皆、真面目に一 ....
仕事帰りにスーパーで きんぴらごぼうを買った
私はこのきんぴらごぼうを作ってくれた人を知らない
きんぴらごぼうを作ってくれた人も私を知らない
でも
きんぴらごぼうは美味しい

きんぴらごぼ ....
歌詞のない歌を
歌うあなた

あなたが歌う
その歌に
言葉を添えたいと
言葉を紡ぐ

この想いは
熟れて落ちた
柿の果肉のように
足元に飛び散って
あなたに届けることは
もは ....
言葉にしないことがある

このことを言葉にすると
君の不安が増えるから

だって
言葉は
安心より不安に寄り添う力が強いから



言葉にしたいことがある

このことを言葉に ....
明日は待ちに待った卒業式だ
そして
俺はこの日を待っていた
明日で中学は終わり
みんなバラバラと散らばっていく

背水の陣
退路は断った

まゆみに
俺は今日告白する

「大事 ....
東京駅構内

3歳ぐらいの男の子が
しまじろうのぬいぐるみを落とす

ハイヒールを履いた女性が
しまじろうをつま先でカスるように蹴飛ばす

20cm程前方に滑るしまじろう

し ....
半年ぶりの実家はいつも通り
父は孫と はしゃぎ
母はセカセカと 動いている

ちょっと気になる
カレンダーと
冷蔵庫に貼られたメモ用紙の枚数が

カレンダーはもう日付がわからないくらい ....
母からの電話
実家の私の部屋を母が掃除していて

「小さな何かの種が机の引き出しに
いっぱい散らばっているけど
捨てていい?」

小さい種?
クレオメだ

  「だめだよ。大事な種 ....
いのちある
きのうは

醜く
苦しく
さびしく
うれしく
輝いて


いのちある
言葉は

清く
汚く
痛く
美しく
生きる


いのちある
今日は

泥 ....
イナエさんのichirouさんおすすめリスト(75)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不立文字- ichirou自由詩9*14-4-5
細軸綿棒- ichirou自由詩8*14-3-31
音の和_春の和- ichirou自由詩1114-3-29
昨日と今日と明日と- ichirou自由詩10*14-3-26
未来に向かって生きていけ- ichirou自由詩5*14-3-22
蔵開き- ichirou自由詩12*14-3-16
もうカーテンは暖かいよ- ichirou自由詩17*14-3-8
土葬志願- ichirou自由詩8*14-3-4
蝶番- ichirou自由詩10*14-2-28
アルバイトの備忘録- ichirou自由詩18*14-2-25
まっすぐ伸びていく- ichirou自由詩7*14-2-24
砂糖- ichirou自由詩10*14-2-23
振り子運動を見ながら平等を考える- ichirou自由詩9*14-2-23
みんな愛から生まれる- ichirou自由詩7*14-2-22
リリカルシンキング- ichirou自由詩7*14-2-20
まろやかな不思議- ichirou自由詩11*14-2-17
- ichirou自由詩1*14-2-12
さまよえる黄昏- ichirou自由詩11*14-2-9
僕の視野- ichirou自由詩5*14-2-7
そんなに見つめるなよ- ichirou携帯写真+ ...15*14-1-31
綿しっぽい- ichirou自由詩10*14-1-26
失敗してもいいじゃない- ichirou自由詩8*14-1-18
もしかすると_生きていることは孤独じゃないかもしれない- ichirou自由詩19+*14-1-13
ヴォカリーズ- ichirou自由詩6*14-1-12
言葉にしないこと_言葉にしたいこと- ichirou自由詩6*14-1-11
つんのめりラプソディ- ichirou自由詩4*14-1-9
しまじろうは大丈夫かい?- ichirou自由詩19+*14-1-8
メモ- ichirou自由詩16*14-1-4
約束- ichirou自由詩9*13-12-29
いのちある- ichirou自由詩12*13-12-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する