先生が僕を卑怯者と呼んだ
その名前はおでこに貼りついて
やがて
僕の皮膚になった
月日が過ぎて
周りが誰も気づかなくても
僕の耳には
先生の声が時々聞こえた
先生 僕は先生のよ ....
日曜日のスーパーできみに会って
問題はヒゲを剃ってこなかったことと、それに服がださいことと
まあ色々あるけどとりあえずあわててエチケットカミソリを買ってトイレで剃ったら
すげー痛くて「血が出てる ....
一生懸命考えてるけれど
今は悲しいから分からない
風が吹いている気がする
おとないの人の
逆光線に佇む
寒々しい玄関に
しろい心を覚える
冬雲のその
質量感の無さが妙に泣けるね
煙突から
軽く上ってゆく水蒸気を見ている
耳の奥へ向かって
ツンと叫んでいる
胡散臭いと思いつつ
ガチガチの理屈を裏返すと
ぼろっちく縫い合わせてある
どんなに可笑しくて
どんなに正しくても
ほくそ笑んでウフフと笑う
大人にな ....
まだつたない指先で
あのときの私は私なのよ、と
マフラーをひっぱる少女
きみはまだ生まれてなかったでしょう?
私は強くなる
大切な守りたい人のために
私ができることをしたい
悔いを遺して逝きたくはないから
人って生き物が嫌いだけど好きだから
私にできることはなんですか
悔いを持ち生 ....
切り裂かれた風は哭いた
撫でてくれるものも無く
抱き締めてくれるものも無く
切り裂かれた風は哭いた
僕は
聞いているしか無かった
午後3時
熱い風の中で
詩を読んでいた
ベランダ
僅かな波の音
カモメの声
が途切れる
その向こうに蝉がいた
部屋は暗かった
出かける準備を
しなければならなかった
....
石を投げつけたんだね。もう一度、同じ石を投げたんだ。目標となる的なんてありふれたものだから、何も作りだしたりはしてないんだ。僕の身体の一部がもげてそこから足が生えて、その足で歩いていくんだ、僕は上下逆 ....
天井の隅には
蜘蛛の巣があるけん
蠅のばあちゃんが教えてくれた
台所の窓にはヤモリがおるけん
近寄っちゃいかんばい
婆ちゃんは
何でも知とると
だけん
長生きしとるばい
この家の ....