冷たい直線が
流れていく
今日は朝から
ろれつが回らない、
白い紙へと
その先に長く続く
生物の住めないプール
それは時計にある
二つの瞳孔
人が唇を触りながら
ゆっくり ....
もう何年も前のことだけど
妹と自転車二人乗りしてスーパーへ行った帰り道
道の真ん中に袋に入ったままのえのきが落ちていた
そのすぐあとに五個セットのティッシュ箱も落ちていて
誰が落としたんだろう ....
 
 
なにかをやりつづけていると
なにかをやりつづけているなりに
できているわたしがいる

こんなこともできるんだね
あるひとが
あるわたしをみつけて
いってくれた

それでい ....
じゃらじゃらと指があそんでる
手のひらをすべる舟でゆく
月のない 
だけど明るい砂の上



大切なものがさらさらと
くびれた小瓶に流れこむ
オールを漕いで 砂を ....
まっしろなノートを脳内に広げ

インクの切れたペンを端に置く

そしてそうっと目を閉じた僕は

誰かが喋ってくれるのを待つの

僕の中には何人かが住んでいて

僕はオンボロのアパー ....
3寸のおおきさで
生まれたわたし

お嫁にいきたく
ないです
と、

もういちど
竹の中にもどれれば
いいけれど

それはどうにも
無理だから、

月を見ながら
涙します

ここにいたいと
涙します
知らない街。見たことのない風景。求めるもの。人は何を探しに旅をするのでしょうか。
手真似為ています。
刺激的な一日 。
うしろを振り返れば 文字を失い おやおや 自慰なんかしても  ....
{引用=


硝子をつたう小径に
痛みは流されて
遠い海に向かう


曇天の淡い輝きの下
たゆたう調べに 今日も
あなたを浮かべてみる




想像でしかなかった白い肉体 ....
 明るい心臓の奥深くに
 私のかたちに似た木が一本
 ひっそりと佇んでいる

 その木は、
 常緑と呼ぶにはいささか
 難解で
 落葉と呼ぶにはいささか
 陽気である

 そし ....
とりとめのない物思いに
舞い降りた芳しい栞
見上げた梢から零れる
オレンジ色のはにかみ

とりとめもなく高い空を
自由飛行したがる意識
ゆるやかに誘うような
オレンジ色のためいき

眉間に堰き止めて ....
膝を抱いて眠る
呼吸するたびにこぽこぽと音をたてる

とろりと変化した水に抱かれて
ゆっくりとまわると
視界がくるくるかわり

色んなものが
体のすきまに入りこむから

くすぐった ....
私の大好きな古い窓に
あのカラスはキズをつけた
羽虫の薄さで
夕日を水のおはじきにして

木苺の赤い信号が
車を待っているあいだ
硬い色の空を背に
セスナ機ほどの小さな傷で
浮かん ....
大嫌いな夜を抜けて
やっと出会えた朝
ひんやり冷たいだなんて
優しくないね
と思ったら
雨上がりが届けた甘い香り
ありがとう
金木犀が私を包む
優しく
ぼくがいなかった夜と

ぼくがいなくなる夜の間に

とてもきれいな夜がある

素敵に暗くて、静かな夜がある

ポチャン、と魚が一匹跳ねて

それきりのような

夜がある
物語を読み終わったあと
夢うつつに思いを馳せる
形のないものをふちどる
魔法みたいなことができる
まぶたの裏では鮮明に
雨が降り 夜が来て
風が吹き 夕暮れを迎える
知らないことを知 ....
雨の粒を追っている

あなたになりはしないかと
雨のレンズを通して
あなたをみてみたい

水にたまった
雨の粒たちは
違う世界なんてみせなくて
ただ小さな円をつくっている

雨の ....
透ける唄をきくから目をとじて
車の流れる音も聞きながして
そらはやっと明けたのに夜は幕をさげてゆく
夏はもう通り過ぎたの

冬物を出しながら
これからのことを考えて
でもこれからのことな ....
 「へそ」

夕立とともに雷が落ちる音がして
少年ははっと目覚める
もしかしてへそが盗られていないか
あわててシャツをめくり
お腹にちいさな穴が残っているのを
確認して
ほっとしながら ....
赤い月夜の森の中を
恋人達が無言に行く
凍った大気と闇の道を
二人は抱き合って行く
抱き上げられた女は
男の肩に頭を預け
柔らかに目を伏せて
その温かさに耳を着け
胸の鼓動を感じている ....
かたちのない宝石を
手のひらで転がす九月の午後
孔雀たちはまどろんでいる
淡く実る葡萄の夢を見ながら
実のつらなりが
水に映る
逆さになり
雨が来る


遠くと近くの震えが混ざり
小さな 音だけの雨となり
曇へ降る虹
曇から降る虹を見つめる


指のかたちの熱が ....
あなたは目を閉じない
じっとわたしを見てる
どんな風にキスをするか、どんな風に目をふせて、喘ぐか
優しさに満ちたまつげを愛に届きそうなくらい伸ばして
ね、
あなたの手のひらの熱もひたいで冷え ....
海岸通りを飛ばせば
忘れられた緑のなかに館があったよ

どこにでもあるようなメルヘン

車で通るたびに見ていた

どこかで見たような顔はもう思いだせないよ

幸せか不幸せ ....
立ち止まるひと
立ち止まらないひと

その違いってなんなんだろうね

わたしなんか立ち止まらないひとだと思ってたのに
こんなとこに5年間も立ち止まってしまっていて

指先器用でギターと ....
ココアがくつくつ
揺れている
背中を壁側に

テーブルに
冷たいシャツ
袖口から右の指先
左の指先

息を吐き出し
口内炎にいじめられ
舌はだらしなくまるめ
文字をぽちぽち
 ....
 
 
秋の空に
突き刺さる
ほそい針金が
風に揺れている

揺れているのは
黄金色の穂
だけではない
帰り道なのだった

その角を曲がれば
たどり着くだろう
その家が
 ....
溢れ出る言葉
消えていく言葉

伝えたかった想いは
半分も伝えられなくて

言葉は木の葉に当たる雨粒
弾けて細かい粒となり
散り散りに飛散する

きっと一滴の涙の方が
よほど饒舌 ....
レモン色のチューリップが
それは雨天のせせらぎであって
顔は飛沫(しぶき)をはじいていたのです

あなたは最初の花ですか
植物図鑑のはじめですか
あなたは「赤」のはずなのに
あなたの夢み ....
えら呼吸の真夜中が
あぶくを出して歪んでいる
行き先を決めてなかった足が
交差点前で立ち止まってる
ひとしきり吹いたさみしい風も
許せるくらいになれたらいいね、と
そんな台詞を路地裏に ....
 
 
土手に生い茂る草と草の間に
誰かの忘れて行った眼が
うずもれている

眼が見てきたものの記憶は
その中には残っていない
ただ、かつて前にいる人の涙を見て
自分も涙を流した気が ....
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