熱帯のスコールが街に降り注いでいる
落ち窪んだぼくに 傘を差してはいても溜まりゆく雨
視界は不慮への屈伏から 夜露を湛えて滲む
爪先から徐々に激しく積み上がる感傷の血潮が
僕に夢を見せるの ....
 
 
いつの頃からか口の中に
ハリセンボンが住み着いている
怒らせると針が口中に刺さって痛い
ちょっとした振動にも反応するし
取り出そうとして手を突っ込んでも
針が引っかかって取り出せ ....
砂漠には
牡牛や熊や鳩や鷹
大昔
それらすべてはひとつであったと
髭づらの人が
乱れる息を
掌の中
上手にすり合わせ
微笑み
「悪疫は煮沸消毒いたしましょう」
「悪疫を煮沸消毒いた ....
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