行きつけのバーでは
瓶がみな逆立ちしている
バーボンの細いネックは
ここでは
美しい脚にかわる
からだには
さまざまな衣装(ラベル)を
バスタオルのように巻きつけて
ダブル ....
何者でもない 何者かへと黙礼をする
白く底の無い曇った空をひとすじつう
っと黒い鳥の影がとおりすぎる。
わたしはいったい誰なのか
しらむおもてに波ひとつ立たずないだ
水平線を立ちつくす
す ....
握りこぶしに八割の水分
寝具に横たわり
タンクトップも脱いでしまって
タオルケットに巻かれてしまえ
コットンが素はだかを優しく撫でる
身体感覚が昇るからうつぶせを楽しんで
ひと ....
たった一本の卒塔婆のように
不健康に伸びた櫓から
私はずっと向こうの火山を見守る
今にも昂りそうで昂らない
噴き出しそうで噴き出さないそれを
ひたすら見守りつづけて幾星霜も過 ....