おれたちを殺してくるものすべてをこの手で排除するなら
おれたちにいったい何がのこるというのだろう
シールのはげた醤油差し
ドラグストアに並ぶシャンプーの群れ
大根の花
そういうものにおれたち ....
夕暮れの表層に漂う

たましい

どんな形容詞だろう

それは乗りものとか

愛とか

旅人なんかの様子をあらわすのかな

たましい林檎

いけないと知ったはずなの ....
羽子板は遣唐使のおみやげなんだ
と先生は言っていたけれど
ししとうがどこを調べようと載っていない
なぜならばそれは
先生は本当のことを教えるという偏見を利用した
まことしやかな嘘だからなのだ ....
親戚の目が横に伸びていく
奇妙な形、と思いながら
引かれた椅子に座る
袈裟がうやうやしく現れるまで
空気は露ほども動かなかった

左手に花を、右手に線香を持つ
あとは付いていくだけ
人 ....
三つの水滴が
顎にいつまでも残り
笑っている
泥の泉をすぎる月


夢の踊り場
夢の重い蓋
彫像 銅像
沈没船を照らす自画像


かがやくものが運ばれてくる ....
と壁の隙間から真っ白な腕が伸びて
画鋲を全部引き抜こうとしている。
顔を出さないのが唯一の救い。
輪郭は憎しみの対象になる。その様子を

ソファに腰掛けながら僕ら二人は眺めていた。
そして ....
1万円以下のママチャリ
きしむけど
安っぽいコンクリートの上なら
十分だから
4分そこらでスーパーへ到着
一番安い鶏胸肉
今日のおかずに買って帰る
ママチャリのカゴへイン
ママチャリ
 ....
線描画のような街
おびただしい数の
妖精めいた小さなものが
家々の窓から
わらわらと現れては
空に溶けていく
遠くから煙の匂いが流れてくる
人が消えるのは
こんな夕暮れだ

背が伸 ....
   たくさんの街が存在すること


   昨日 仕事帰りに職場の人と飲みに行った
   焼き鳥屋の二階 座敷に座った
   最近知り合った人たちは
   それぞれに可愛か ....
なみだ 落としすぎて、

めだま 落ちてきたんだ。


いっこ 落っこちて、

にこ 落っこちて、


もうない。と、思ったら、

つぎつぎに めだまが あふれてきて、 ....
夏に収穫した蝉の脱け殻を
一こずつ街外れまで並べていって
こっそり隠れていたら
どんな妖怪が現れるだろう
大きな蝉小さな蝉
脱け殻を地面に置きはじめると
向きにこだわりを見いだしてしまい
 ....
あれ真っ暗だと思ったとき
ようやく目を凝らした
全くわからんので
先生(うーたん)は目を開けた真っ暗と
目を閉じた真っ暗の違いは何だっけと考え
歯をむき出しにしたしわくちゃの顔を想像して
 ....
犬の声で鳴いたあと
お化けの烏は屋根の上から
やはりこちらを見ているようだ
だからユキちゃんは手を振ってみた
あの左の目玉には
忍びよる雨雲がありまして
そうして
はたしてチョコを食べる ....
ししとうはすいかに意地悪をしたい
だから襟口をまっすぐ指さしながら
お米が付いているよと言い添えてやる
すいかは自動的に俯いて
始めの釦と二つ目の釦のあたりを
つまみつつ見つめているのだが
 ....
木下くんちの子がよる、きゅうに中耳炎になって
頭の中で(虫耳炎)と思って
耳で虫が燃えて
耳で虫が燃えて
ダニみたいな虫がいっぱいいっぱい
耳で燃えてて
耳が熱くて熱くて
焼けてこ ....
はす向かいの煙草屋から2メートル借りて
となりに住む大学生から4メートル借りて
街頭募金を装って6メートル借りて
それでもたりなかったから交番へいって3メートル借りた
夜爆発して
住人が ....
ちかちか鳴る信号を無視して走っていた
向こう岸で恋人たちがまっている
わたしの心臓を四等分するために

海は干上がって
愛ばかりがのこった
だからこんなに走っても
満たされること ....
 電子レンジの中で何が起きているのか
 ぼくはよく知らない
 中に入れた物が熱くなって出てくる
 そういうものだということの他は
 操作方法だけ知っていれば困らない

 ターンテーブル ....
えりがめくれてるのが気になって
めくれてるよ
と言ったけど
喉がかすれてこえがでない
声の出し方を忘れてしまった
と思って
咳をしてみたら
目に砂が入ったので
目を閉じたら
目が閉じ ....
友人の家に行った
友人の家は行くたびに違っていて
今度は旅館だった
居ないはずの息子が玄関に居て
背を向けたまま
こちらを一度も見ることはなかった


誰かが
ひ ....
あ、の形にひらいた口から
あ、がこぼれて落ちた


床にふれる
粉々に砕けて、見えなくなった


手を伸ばして鍵を外す
からから、と窓をあける
なまぬるい風が不躾に入り込んでくる
 ....
その古い家には
ちいさなあかりとりの天窓があって
夜ふとんに入ると
その窓がいやに気にかかってたまらなくて
ぎゅっと目をつぶった

星も見えないようなちいさな天窓
月明かりだけはぼんやり ....
がたたん
ごととん
外は
いつのまにか暗く
ここまでは来たことがある
という駅を通り過ぎて
全く
知らない場所

予想通りの
小さな駅
どこで降りても
スーパーがあって
コン ....
               130721


切り倒されて朽ちた幹には
王子様のような茸が生えて
胞子を出して枯れるのだと
教えられて育つ
屋根 ....
 ほら、たべものがよかったのかなわたし、おいしくできてるからわたし、ほら、軟骨はつやつやとしてみずみずしく、膝はつやつやとして夜に半月映るし、ほら、かわいい服とかかわいい靴とか、化粧品たち、小物たち、 .... 首のないMを幾度も抱いた
いろんな場所で、いろんな服を着せて
街のホテルよりも野外での変態プレイが多かった
いつもボクがしたくなったときだけ利用した

首のないMの下着を勢い脱がして
柘榴 ....
どこかでたしかに会ったことある人に
挨拶してはみたものの
結局あれは誰だったのか
日が暮れるまで思い出せなかった


減るものじゃないけれど
宙に消えた「こんにちは」が
なんだか寂しい ....
水底につづく階段
溶け残るつらら
午後を咬むつらら


羽のしぐさ
空のひらき方
指をのばして
そっと試して


ひとつだけだよ
裏通りの声
違う人の 同じ言 ....
夏草に息をつまらせながら
とぎれとぎれのたよりない光跡を追いかける
光跡は小さな流れに出会う
同じ場所で僕たちも出会った

滝のしぶきがかかる地下道を通り抜ける時
すれちがう幸せな記憶をた ....
小人が乗用のために
農地のミツバチを盗み出して
長いことドライブを楽しんだ後に
今さらながらそのことを悔やんで
思い出したように坂を下る
今さらなのにそのことを悔やんで
死なない薬を一粒飲 ....
春日線香さんのおすすめリスト(49)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おれたちは雑貨にすぎない- 長束静樹自由詩524-1-16
たましいひと- 自由詩4*20-6-27
どうしよう- 桶谷自由詩119-7-20
- いっと自由詩518-11-7
鬼の庭- 木立 悟自由詩318-6-29
[:poster- プテラノ ...自由詩215-11-24
東京- かの自由詩515-11-10
線描画のような街- カワグチ ...自由詩315-10-24
スミノフ、ウォッカ- 崎山郁自由詩5*15-10-22
めだまあめ.- つきのい ...自由詩715-10-20
抜け殻- 桶谷自由詩215-10-10
資料室- 桶谷自由詩414-9-18
カラスモゴリ- 桶谷自由詩314-8-1
- 桶谷自由詩414-7-29
エデンの園- 末下りょ ...自由詩3*14-2-21
- はるな自由詩1114-1-18
反射- はるな自由詩513-9-16
電子レンジ- 青井自由詩713-9-14
_- さいとう自由詩513-8-27
ノート(空と海)- 木立 悟自由詩313-8-7
同じ窓辺- あ。自由詩713-8-6
しょうけらのいる窓- 佐々宝砂自由詩9*13-7-27
知らない人と- チアーヌ自由詩1113-7-23
星からおちた小さな人- あおば自由詩10*13-7-21
ショッピングモール- 片野晃司自由詩19*13-7-20
首のないM- atsuchan69自由詩5*13-7-17
さるすべり- 八布自由詩613-7-14
明るく短い径- 木立 悟自由詩813-7-5
- カワグチ ...自由詩613-6-29
アコライト- 砧 和日自由詩613-6-12

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