行者の合図
クルリと翻す風
縦笛と砂ぼこり
枝の囁き
沈黙の月
眠る黒猫
右手の挨拶
マーブルチョコレート
揺れる青葉
軋む廊下
駆けるメトローム
歪な氷
飛び交うフク ....
あめのおとを
きいている
とおもっている
わたし
ひとのこころが
みえている
とおもっている
あめ
のようなきがして
まっている
すてられた
とう ....
カキコ
ゆかりの詩人の指を一本拝借して詩を書いていたのですが
その指が痒いというのでクリップの先で擦ってやると
流れる血がまた詩の風貌に滲んできたので 調子にのって
ためしにインスタント珈琲を ....
よこむきになって
泣いていたら
右目のなみだが
左目にはいって
はんぶん魚で
おぼれていました
【受肉期】
米の雨が降る。
般若湯を浴びた犬薺が吐いた執着心の灼熱で霰になる。
霰に降られた蓮華蜂蜜のベンゼン環が乱痴気に濡れて、
観音開きの喉仏から大挙する粟が眠る雷を起こす。
米 ....
母は毎日サンドイッチに
海をはさんで食べていました
そうすればいつか船に乗って
父が帰ってくると信じているのです
花言葉は覚えていても
花の名前は忘れてしまう
そんな母でし ....
あかい血だ
血は
いう
生きている
おまえは
生きているのだと
生きてる・・・
まだ
いきている
あたしは
血を流している
カラダじゅうから
あたた ....
心臓を
落としてしまった男が
こちらをみて
口を開けている
あのときから
うたが歌えなくなった
かわりに
詩をかいている
かわいた心臓が
膨れあがり滴るような
詩をかき ....
土曜の夜
妹に
メールを送った
明日暇かと
なんで
と返事が来た
妹は
おなじ市内で暮らしてる
どうして
なんで
なのだろう
思い出を
残したいからなのか
....
昨日投稿した詩は
あんまり評判がよくなくて
そのせいかな
なんか今日はなにもしたくないや
求人雑誌をぺらぺらめくって
めぼしいところに印はつけたものの
なんだか気がすすまなくてさ
....