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{引用=
6月の雨が
まだどこかに残っていて
それが7月の終わりになっても
降り注いでいる
一月以上寝かせたからだろう
いらないものがたくさん混じってる
人間の気持ちに置き換えたら
....
ナイフの刃を
力強く握ったら
血だらけになったよ
思った通りだ
痛みだって
僕が想像していたのと
全く同じだった
なんてつまらないんだ
そう思っていたら
君が泣きな ....
その部屋からは駅が見えた
あなたが帰る姿も見えた
その部屋からは通りが見えた
あなたが歩く姿も見えた
その部屋からはわたしが消えた
あなたを待つ わたしは ....
海岸線を走って
ぼくはまた
この海にやってきた
きみの大好きだった海に
誰もいない海は
穏やかな水面を湛えて
ぼくが来るのを歓迎している
チャンネル争いに負けて
ふぐよ ....
北西からの冷たい冬の風
少し青空が覗けているけれど
私の頭上、分厚い雲はまだ去らない
大人だから、辛いときも耐えなくちゃ、ね
誰もなんにも言ってはくれないけれど
守られる前に守ってもらう ....
立ち入り禁止の
義母の部屋に入り込んで
おしっこをしたり
供えたお菓子を引っぱり出して
食べ散らかしたり
犬が悪さをするようになった
酒飲みで我が強い
とてもこども染みた人だった
....
ぼくは残念ながら男性なので
女性の身体のことはわからない
まして妊娠や出産のことなどなおさらわからない
数日前から妊娠中の妻が
お腹の中で なにかが動いているのがわかる
まるで魚が跳ねて ....
悲しくて、哀しくて。
ふいに零れた涙には、その悲しみと哀しみが含まれていた。
だが、それに気付いたときには、既に時は遅く。
慌てて捕まえようと手を伸ばすも、僕の涙は排水溝に流れ落ちてしま ....
窓に手の平押し付けて
冷たいですねと笑いました
うすい うすい 笑いでした
唇の色も失くすようでした
窓あけて 二度振り返る
あなたがいるように期待して
夜風は ふわりと舞っています
....
深夜の冷たい台所で
古くなった冷蔵庫が自分で自分を解体していた
もう冷蔵庫であることに
いたたまれなくなったのだ
時々痛そうにはずしたりしながら
それでも手際よく仕事を進めていっ ....
夕方はカラスが泣く
夜は犬が泣く
家ではきみが幸せで
家族とスキー旅行の計画をたて
休みには妹とブランチの約束をする
カラスも犬も昔から
ひとりごとなど言わない ....
{引用=
目にするものは、すべて
縮小された世界 ほそい指先に
絡まる色糸の道と煩雑なブロック
意識ばかりが拡散して、
すぐに ほんとうの姿が分からなくなってしまう
この街をあんなにも ....
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