ひとつのメルヒェンが世界を往復するあいだに
路地裏の女はひらがなで大きく書かれた
しなないという文字を
街の中心地へと押し出そうとしている


(光の海で星と泳ぐ少女の物語も日が暮 ....
 
 
不安な気持ちでたまらない、と
夜、入院している父から電話があったので
病院まで行く
今日はリハビリ頑張りすぎて疲れちゃったんだね
そう言って落ち着くまで父の頭を撫でる

その帰 ....
 
表面張力のまほう、
いつの日にか飛び立てる気がして
 
いまさっき
世界はひっくり返ってしまった
 
*
 
消火器を撒き散らした日のこと。
 
黒板の角にはいつだって
誰かの告白の残骸が残ってい ....
白髪があったので
抜いてみると
耳の裏辺りから
ぷちっと音がして
なんだか少し
体が冷えたみたいだ
隙間風の
よく聞こえる耳になった



抜いた白髪が
白い糸みたいだったので ....
目覚めのひと呼吸が
かなしかった日は
ふい、と
砂漠に連れて行かれるようだ


そこは盛り上がった砂地/育ちかけたトマト/の/墓標が整列/黄色い花が手向けられている/生ぬるい南風が/背中/ ....
白梅も微睡む夜明けに
あなたしか呼ばない呼びかたの、
わたしの名前が
幾度も鼓膜を揺さぶる

それは
何処か黄昏色を、
かなしみの予感を引き寄せるようで
嗚咽が止まらず
あなた、との ....
この時を封じ込めるように
祈る

静かな瑠璃色は
両のてのひらを祈りのかたちに
そこに少し息を吹き込むようにして
そっと閉じていて
ひそやかに夢を育んでいる

あなたは
わざと大雑 ....
ふねさんのおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
終わる世界- e.mei自由詩2509-9-29
ブランコ- たもつ自由詩3509-9-26
なつのしがい- 仲本いす ...自由詩409-9-6
白髪- 小原あき自由詩6*09-9-1
トマトジュース- 銀猫自由詩9*09-5-14
美しいひと- 銀猫自由詩29*09-1-28
りんどう- 銀猫自由詩18*06-10-4

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