すうっと染みてくる
とても自然で
ひんやりとして
あたしの
脳細胞に
刻まれる
なめらかな言葉
遠くから
キラキラとした
あなたの姿を
見つめていたの
だんだ ....
セックスのあと
べたべたしたキスをくれる男よりも
冷えたビールを寄越す男のほうが好き
もしそれが
火傷しそうに香るコーヒーだったら
きっと愛してしまう
セックスの前に
愛を口にする男 ....
歩いている。
あてもなく歩いている。
すっからかんの着のみ着のままで
歩いている。
足下には星屑が輝き
頭上には異様に大きな月が
幾つものクレーターを見せて
垂れ下がっている。
....
あなたの詩に抱かれていたい
僕は乾燥し切ったせんべいです
あなたの詩を抱いていたい
僕は受信感度の悪いラジオです
あなたの言葉の調べで眠りに就きたい
僕は炭酸の抜けたコーラ
....
【死が二人を分かつまで】
死が二人を分かつまでに、あとどれくらい
私はあなたを愛することだろう。
かけがえのない時を刻みゆく中で
限りあるこの ....
君に対して
誠実な言葉を口にすることが
できなくなったのは
君が僕を軽く扱うから
それは僕が
気が付かないまま
不誠実な行為を繰り返して
いたからなのか
ゆっくりと壊れてゆ ....
金色の粒子が降り注いでそこら中
寂れた町も今日は暖かい
素肌の風が髪をさらう
息吹をBGMに
きみといつまでも溶け合っていたい
こんな日には
きみと離れる
方法を模索する
きみと繋がる ....
古い学童保育の前で
私が気付いた影は
小さな二つだった
ちょっと気の強そうな背の高い子と
その影を踏んで歩く、少し小さめの子
見覚えのある景色に微笑みながら
私は、 ....
茅葺の屋根ふきかえる仕事なら
5000円くらい出してもやりたい
赤裸々な積乱雲を食べてみる
グレゴリー・ペックの声色を真似て
濡れ光る僕のあそこのユニコーン
おまえもただの女なりしか ....
新宿駅連絡通路できれいなひとに呼び止められた
朗らか過ぎる白い歯並びと
しなやか過ぎる姿勢の妖しさと
「あなたがあなたらしく生きているとき人は美しい」
白い歯並びからのぞく跳ねるような ....
何度もあなたを殺していた
言えなかった言葉を尖らせたナイフで
いつの間にか覚えてしまった
人格者の微笑をまとったまま
何度もあなたを殺していた
愛憎の糸がこんがらがったロープで
い ....
太陽の光が照らす
海の底
色とりどりの魚が踊る
楽園
目を閉じて沈めば
一つになった安心感
日常生活
人間関係
陸の上ではいろいろ疲れる
生きてる意味が見当たらない
そんな ....
花のような雨に打たれてひっそり
つま先を濡らしヴェランダを歩く
朝な朝なラヴェンダに水をやるのだが今朝は
グラデーションを確かめて新聞を取りにいく
白と水色と緑とオレンジと黄色で
僕の部 ....
彼女は言う
ほらご覧よ
指差した先は果てしなく真っ青な空で
でも時々何処かが赤く染まるのよ
そう呟いては俯く
きっとあの重そうな銀色の機体は
見た目に反して軽やかで
この空をまるで自分の ....
ただあなたが好きだった
ほんとうに
ただそれだけ
あたしには
それだけしかなかった
誰もが歩いている
気がつけば
長い
長い道を
様々な
複雑な
まっすぐな
それぞれの道を
歩いている
ゆっくり進むも良 ....
難しいことだらけの世界で
簡単に考えろと言うけれど
余計な事を考えながら
僕は今まで生きてきた
今もまだ
余計なことばかり考えて
怒られているよ
僕は社会人失格
だから ....
もう一度チャンスをなんて言えない
手放したのは私
そばにいたのに大事にしなかったのは私
後悔なんて千回した
分かっていたなら過去の自分をひっぱたくのに
ゴメンと言えない私のち ....
くちびるに触れるか触れないか
そんな軽妙さがおとなの分別ってやつだから
コミュニケーションの難しさとか真面目に考えてはいけないよ
古きよき時代であれば
裸足では歩けないほど灼熱の砂浜で
....
まだ青い実が
道に落ちている
成熟を知らぬままに
その存在を主張する
ああ
ボクに
何が出来るのだろう
いつまでも
子供のままじゃ
いられないんだ
青い実が
道に落ちている
誰もそれを
拾おう ....
よく、晴れた日のこと
傘をさかさまに持ち、振り歩くひとがいた
何をなさっているのですか、と尋ねると
彼は
「ここに太陽を閉じ込めようとしているのだよ」
そう言って
ぱちり、と傘を綺 ....
右斜め、肩の上にはいつも
くだけた表情の君が当たり前のようにいて
「ずっと傍にいる」とささやく、涼しい風が
耳元に吹いてきた、冬が始まる予感を読んだのでした
目を閉じれば風向きが変わったこ ....
あなたに与えられたからだが為すべきことはただ一つだけだと
いつか誰かが叫ぶので、信じがたい事実が辺りを照らす
ぬるり
と、子は真ん中を割り
部屋に満ちる期待を 笑う
ふるえる裸体はみすぼ ....
埃にまみれた卒業文集
将来の夢はパイロット
無邪気な瞳が描いた未来は
希望の光で満ち溢れていた
いくつもの挫折を経験し
いくつもの現実を目の当たりにし
妥協して生きるコツを ....
君の声が聞こえない
寒空の風の歌が響く
烏の鳴き声共に子供達はいなくなり
残されたのは、僕と忘れた人形だけ
取り残された現実は闇に沈む
暖かな光が灯る家々に僕は嫉妬したり
砂で ....
静かに夜が明けるまで
隣にいてね そっと 触れたまま
この世のしがらみなど
全て消えてしまったかのような
美しい寝顔を
もう少しだけ見ていさせて
朝が来たら甘い口づけで
そっと ....
ばこばこ たばこばこばこ
たばこ ばこばこ
たばこの奴は
鼻でせせら笑う
「私とニコレット、どちらが魅力的かしら?
多分あなたは私を選ぶと思うわ」
僕の左手にはニコレット
右 ....
噛み千切ってしまおうかしら。
痛いだろう、そんなことをしては。
そんな会話ばかりが
あたしを幸せにしていた
おまえの髪に指を通すと、人のぬくもりがあらわになるね。
冷たい指先があたし ....
ぼくが一番したいこと
詩の朗読で世界一になること
総理大臣になること
人類のビジョンを世界に伝えること
ちがうちがう!
ぼくが一番したいこと
君にあまえ ....
もう一度
あたしを見てはくれませんか
もう一度
あの笑顔を見せてはくれませんか
もう一度
あたしの名前を呼んではくれませんか
もう一度
手を繋いではくれませんか
....