通りをまっすぐ行ったところに置かれた忘れ物よりもむこう
右へ右へと使われなくなった線路を歩いていくと役目を終えて眠りについた人形がいます
そこには電車と同じで動かなくなった時にだけ優しくさ ....
ビニール袋の柔らかさに
頬を染めた私は
君と手を繋いだまま
6月の冷たい雨に嫉妬した
鬱屈した気分を
なんとかしたくて
床下の君を
掘り起こしてみたけれど
既に冷たくなった ....
いそいそと絶望へと駆け出す
海辺にて(砂を蹴り、ジャイロを傾けて)
つま先立ちでピルエット(革靴のまま)
肩でそろえられた髪に光降る
白い砂の一粒一粒に(印象によれば)
思いを託すような ....
シリアスな詩を書いてはいけない
空中に散種する植物の
いい加減さで哀しみを
伝播させてはいけない
難解な詩を書いてはいけない
ペダントリで行間を埋め尽くし
注釈が付くのを待つような
....
ぼくは、綻びかけた水
燃え渡る花、降りしきる炎 それでも
常に飢えていて
誰かの 立っている処からは
分かれはじめた
友だち達
いま 遠く港の閉じていくのが
みえるでしょう
ぼく達に、 ....
わたしの生まれ育った村には
鮮やかな花が咲いていて
広大な田地が広がっている
野良犬がそこらじゅうにべとっと寝ていて
曖昧な微笑みを浮かべる村人と
いないはずの人たちが生きていた
たと ....
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