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 トゥクトゥクの傍らで赤い夕日を待って
 犬は
 なにもしていない真昼
 なにをしているのだろう、そこで
 みずからの首に首輪をつけ
 ひもをつないで

 犬って
 なにも ....
 オタマジャクシが
 ぼくのまぶたの裏側に棲みついてしまった
 けれど、だれからもみえない
 ぼくにも
 影の輪郭しかみえないが
 たしかに棲みついて動きまわっている

   ....
{引用=



夏がころがりおちてゆくのを
陸橋のうえから
ぼくは
ずっとみていたんだ
いつかかならずくる
嵐が
ニンジン畑のどこに潜んでいるのか
だれも知らないことが残念でなら ....
{引用=



ふいに落ちてくるのは声
ねむりを破る声

とどまることなく走りつづける
でんしゃのなかを
でんしゃと同じ速度で疾走する男がいて
疾走する男のその努力をもし徒労という ....
 光に目を凝らすと
 色彩が失われ
 あらゆるカタチはこわれている
 ひとつの塊にしかみえなくなっている

 蠢くものの姿がみえない
 ほかと選別できないから言葉がうかびあがら ....
 うす墨色をした
 雨月物語
 その雨のない風の気配は
 前髪のような柳葉のむこうから
 あるいてくる
 二人連れのおんなが
 ゆうれいだと
 ぼくが気づいたのはどうしたこと ....
 なき虫であっても
 なく虫ではなく

 よわ虫であっても
 つよがる虫なのである

 にがり虫に似た
 にがい顔で
 本の虫は点とり虫というが
 てんとう虫はほんらいお ....
 眠らないバスにのった
 眠れないぼくは
 あの野性化した雲といっしょに
 あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう


 写真でみただけの
 マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
 こどくにはつよいはずだった
 ぼくが
 ふあんにたいして
 ふあんていにたいして
 こんなにもぜいじゃくでむぼうびであったなんて
 おもいもしなかった

 ふいのかぜがふい ....
 その身を削いでゆく
 どこまでも
 いつまでも
 と、いうわけにはいかないのだ
 だれであっても
 どんなひとであっても

 あげくの果て
 使いものにならなくなった
 ....
 白紙の畑がひろがっている
 一本道をゆく
 と、ポツンと
 巨大なショッピングセンターがある
 集合住宅のコンクリート塊が墓標のように、山塊のように建っている

 そんな
 ....
{引用=

 またいつもの
 自転車にのって
 ぼくがむかっていた
 先とは
 どこだろう

 でも
 いまは
 どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
 はたして
 ど ....
……とある蛙さんの石川敬大さんおすすめリスト(72)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
国境ちかくの町かどの犬- 石川敬大自由詩2010-10-7
ふあんな街は犀の背中にのっている- 石川敬大自由詩1610-9-11
犬もみていた、夏のおわりを- 石川敬大自由詩1810-9-6
でんしゃのなかにふる雨は声かもしれない恋かもしれない- 石川敬大自由詩1810-9-1
ピアノ協奏曲「月光」- 石川敬大自由詩2110-8-28
夏の夢をとじておもう- 石川敬大自由詩710-8-12
虫偏の精神を笑わないでください- 石川敬大自由詩1810-8-4
うつつと夢の間を縫うバスに乗って- 石川敬大自由詩1910-7-22
木の葉のふあん- 石川敬大自由詩610-7-19
おじさんはガンジス河のひと粒として- 石川敬大自由詩1710-7-12
轍は白いミミズ腫れで_ーー作家Tに- 石川敬大自由詩1210-6-30
日曜日のカエルは旅好きである- 石川敬大自由詩2810-6-27

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