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風のつよい満月の夜だった

荒れ狂うものは風しかないようだった

風は目には見えなかった

近くで音と圧力がほどけていた

夜いちめんの雲が月の光を吸っていた

それらがブラマンク ....
全寮制の中学に通っていた

六時から十時までは

途中休憩をはさんで学習室で勉強だった

中間試験が終わった十月の土曜日

その日だけは自習時間がなかった

テレビ室には二十人くら ....
十月さいごの日だまりが

ぼくらに光を継いでゆく

風のしたで悲しみをかまえ

いちばん好きな他人を失う


恋人の不実をまえにして

ぼくは悪くなかったのか

神様、怒って ....
窓辺にうつる

あたしの頬が

便箋に文字をしたためる

不惑は遅くて

別々のよるが

哀しみをガラスで仕切る


こんどの夢は

ながすぎたメルヘン

こんどの愛 ....
もう腹を立てたりするのはやめよう

ぼくにはひとを裁く権利などないのだから

あらゆるイマジネーションを使って

ぼく自身に置き換えてしまうのだ

身に覚えがないとしても

身に覚 ....
四日の夜には息子と散歩をした
息子は自慢話を聞かせてくれた
子供ってたぶんみんなそうだ

ふしぎな月の夜だった
月のまわりにおおきな円弧がかかっている
それを息子に教えた

お父さん、 ....
日なたを見つめる

芝生が動く

秋のバッタだ

ひらひらするのは

シジミチョウだ

どこかでそれらの

たとえば文集が編まれている

ぼくがここにいなくても

ぼく ....
うっすらと

冷えた微風にほんのりと

さやかな湿度とキンモクセイ

夜道をスーツは落ちてゆく

まよこを電車が落ちてゆく

ほんのりと

さやかな湿度と焚火のなごり

胸 ....
風が吹いている

青く灰色のピンクの影のなか

夕暮れの香りが運ばれている


いちにちは

誰にかやさしい終わりを告げる

よるに棲息する

わたしは無生物になるでしょう
 ....
負けるな嘘を言うな弱いものをいじめるな負けるな嘘を言うな弱いものをいじめるな負けるな嘘を言うな弱いものをいじめるな

ああなりたいと思っているから
いまよりも高いところへ俺はゆく
ああなりたい ....
出張さきの宴席で地元の方々が
茶わん蒸しの唄をやってくれた

いつもそれを覚えようとするのだが
芋焼酎がぬけた朝には忘れてしまっている
だからその晩はDVDをおくれよと頼んでおいた

翌 ....
ふたりの蛇が絡みあい

とぐろを巻いてぼたっと置かれている

私たちは睨みあう

舌をちょろちょろさせ

鎌首をシュパッと突きあわせ

私たちは今、威嚇しあっていた


私は ....
目的はあったほうがいい

そのための

道標としての目標はあったほうがいい

そういうことが

しんどいことだと思うひともいるだろう

言葉は個人にとどかない

これを孤独と言 ....
ぼくは腹を立てない

それはじぶんだからだ

じぶんを比喩して

それは目のまえにあるだけだからだ


ぼくを見つめた誰かの

その追憶をぼくは辿る


どこか遠くで

 ....
蛍光灯のひとけないフロア

コピー機の出力の音

そとの雨が窓をぶっている

指示されたことを

消し込んでいる部下たち

十月の夜が

ほとぼりのさめたような顔をして

 ....
十月の午前の窓は開いていた

どこか遠くで冷やされた風

部屋はあのときの青に澄んでいた


十年ほどまえ商用で行ったアルゼンチン

仕事を昼までに終え

通訳兼運転手の日本人が ....
おれは酎ハイ

ふたりは生中

途中下車して駅前の

会社の帰りやきとり屋


仕事の話

お互いの主張

多少気まずくなる話

家族の話

時計を見ると

もう ....
女を助手席から蹴り出して

さよならをした帰り道

青灰いろが焦げています

秋夜のむこうに燈るのです


燃えたのです

赤いパンティーが棄てられて

ペニスをくわえて貴女 ....
ぼくが通った予備校にはテニスコートがあった
ぼくは予備校の仲間たちとテニスに没頭した
二十年まえの話だ

ぼくらの他に
テニスコートを使用する予備校生はいなかった
ぼくらの異様な熱気に
 ....
声が聴こえる

笛のように震えている

それは孤独の笛だ

うつろな瞳孔が

ぎゅっぎゅっ動いている

哀しみが踊る

孤独を見つめていた

雑踏の風の中で少女を買った
煙草を一本、灰にするあいだ

曇りの夜空、見上げているのは

この道で自分がしでかしたことへの

悔いと純情を見つめるためなのだ


風のうわさ、本当にあるんだな

秋の雨はどこ ....
バスが過ぎる
その排気ガスの匂いが薄まると
またキンモクセイの香が戻ってきた

田畑が刈られるのを待っている
風がやむと時間がとまっている

ひかりが雲が空をぼかしている
建物の優しい ....
あの国に住むひとは
薬の常習者が多いそうだ

先日捕まったりしたのも
あの国のひとたちからすれば
仕事の性格上?織り込みずみなんだろうか


ぼくはいま阿Q正伝を読んでいる
そこにあ ....
銭にもならない我が儘な奴は
はやいうちに見限るにかぎる

銭にならない奴に
銭の成木を任せていてはならない

銭の成木には
銭を稼ぐ奴を張り付かせておくべきだ

銭にもならない奴とは ....
生きている実感なんて

そんなものあるはずがない

なにかの中毒になる以外

そんなものあるはずがない


あるはずのないものを

目のまえにぶら下げて

ロックオンしなけれ ....
融け合わない哀しみは

幸せを幻のように遠ざける

歩道にこぼれている優しい光に

薄い肉のような影が散っている

あなたからのメールに

意地になって返信している

僕のわが ....
スーツだけ着て陣中見舞いにゆく

待ち合わせの工場のまえで

仲間が来るまでアイドリングしている


日曜日の朝は夕方のようだった

なにかの追憶のようにも思えた

懐かしい空が風に吹かれている

悲 ....
秋の風がふとく吹いた

東京のしたの方に台風はあった

商店街は黄金いろで

人間の顔をしたひとびとが

ふとい風に吹かれて

黄金いろになじんでいるのだった


親を大切に ....
さやかで悲しい朝なのに

夏の匂いをかぎました

感謝でむせぶ朝なのに

黒いこころもありました


ひとのこころはどうも遠くて

応酬ばかりのありさまでした


さやかで ....
目には目を、歯には歯を、

このハンムラビ法典の言葉は

復讐法だとか拡大報復の戒めだとか

そんなふうに言われてはいるけれど

この言葉の連なりに

私はひとの悲しみを感じるのだ ....
……とある蛙さんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(259)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あかるいブラマンク- 吉岡ペペ ...自由詩509-11-2
中二の秋- 吉岡ペペ ...自由詩509-11-2
ぼくらは光を継いでゆく- 吉岡ペペ ...自由詩2109-10-31
ひとり唄- 吉岡ペペ ...自由詩809-10-27
ぼくは祈りしか持たない- 吉岡ペペ ...自由詩709-10-25
四日の夜- 吉岡ペペ ...自由詩909-10-23
秋の文集- 吉岡ペペ ...自由詩4*09-10-23
子を想う- 吉岡ペペ ...自由詩1709-10-21
夕暮れのあしあと- 吉岡ペペ ...自由詩1809-10-18
負けるな嘘を言うな弱いものをいじめるな- 吉岡ペペ ...自由詩509-10-18
茶わん蒸しの唄- 吉岡ペペ ...自由詩909-10-16
蛇つかいたちの行進- 吉岡ペペ ...自由詩909-10-15
孤独- 吉岡ペペ ...自由詩809-10-8
満ちてゆく- 吉岡ペペ ...自由詩609-10-6
ひとを責めるな- 吉岡ペペ ...自由詩609-10-5
どこか遠くで- 吉岡ペペ ...自由詩1109-10-4
おれは酎ハイ- 吉岡ペペ ...自由詩7*09-10-3
秋夜のむこう- 吉岡ペペ ...自由詩509-10-1
予備校のテニスコート- 吉岡ペペ ...自由詩709-9-30
孤独の笛- 吉岡ペペ ...自由詩209-9-29
秋の雨はどこ- 吉岡ペペ ...自由詩709-9-29
秋がゆく- 吉岡ペペ ...自由詩609-9-25
阿Q正伝- 吉岡ペペ ...自由詩609-9-24
人事について- 吉岡ペペ ...自由詩309-9-22
生きている- 吉岡ペペ ...自由詩509-9-22
太陽の予告- 吉岡ペペ ...自由詩909-9-21
日曜日の朝- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...209-9-20
秋の風- 吉岡ペペ ...自由詩909-9-19
秋のリビドー- 吉岡ペペ ...自由詩1209-9-16
ひとでしか癒されない- 吉岡ペペ ...自由詩1809-9-8

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