愛の名前を知ってる
ロックスターのハートのエース
あの娘の白いブラウス
天使のくちびる銀色
その綿菓子にピアス キッス


あいつのハイヒール5センチ
薔薇色の頬にグラサン ナイツ
 ....
グッバイ、グッバイ、わたしの少女
いつの間にか髪も伸びて
いつの間にか真珠のような肌

暗がりをおそれていた少女は
星がきれいだからわたしは平気、なんて言って
怖ろしくも美しい月までも ....
夏の終わりが
僕をくすぐるようだった

沸きだした熱が
いつの間にか
きみのかたちになって泣き出すと
僕は立ち止まるばかりだ
ここがどんな道でも
同じ

夕暮れの光は
ふたりを隠 ....
宝石を口に含んで遊ぶ
あの娘が笑うたび
きれいな犬歯は怪しく光る
宇宙船の軌道のように正確な
ピンクの唇が生意気に
愛の歌なんぞうたっている
蝶々が飛んでいった
あの娘は鼻先で笑った
 ....
{引用=夜の階段を下りて
一階はとっくに海に沈んでいったので
その、密やかな貝を避けながら
水の中につま先をいれる

どこまでも透明な
水晶を重ねて束ねて作った
深海は 魚を飲み込む
 ....
季節は私に従属する

冬になれば言葉をわすれ
ぬくみをさがす動物になる
あなたが安全な場所で
ただろうそくを見守っている間に
私の四肢はもげ落ちて
まるく
にぶくなるんだろう

あ ....
濡れたくちびるのその色は
さながら銀座のマネキンのよう
くちづけた指先に
マニキュアの甘いしびれ
ぼくのくちびるに
幼い毒をのこして


薔薇をかじって
少女を売る少女と遊ぶ ....
街灯は白んで路地を見下ろす
檻の中で眠るよりも
コンクリートに背を預けて

何度指を切ったか忘れた
さみしくない
かなしくない
別に嬉しくもないが
手を叩く
子供みたいに

空白 ....
傾斜20度の下り坂に彼女は被写体を見つけ
あわてて焦点を黒点に合わせたのだった
気道を塞ぐカルキ臭の
真白い
欺き

見抜けない
寒空
かがやくものを産み落としたくて
少女は磨 ....
純情と憂鬱の皮を剥いて
果実のような素肌に傷をつけていく
痛くないよ
海では前髪を濡らした人魚が泣いていて
不透明な青の瞳が
もうひとつの宇宙のようだ


静かな夜の粒が少しずつ降 ....
浮いた光は気まぐれに運ばれているのか
それとも決まった順路を漂っているのか
ただ、示されたとおりに視線を動かす

乾きから守ろうとする瞳は水の膜を張り
鮮明だったはずのものがぼんやりにじむ
 ....
群青がおりてくると
土は冷たくなる
それにふれると
からだじゅうが嘘のように固くなった
すると、ひとりの子が
私はおんなのこです
と言って
すこし笑った
私にはよくわからなかったけど
 ....
銀色の糸で夜空の端を結んで
葉緑素だけつめたはこのなかに
すこしずつ流し込んでいく
そしたら女の子がおどろいた顔で
真珠のような瞳をみひらいて
でもそのあとすぐ微笑った
無機物の甘 ....
ゆるやかな曲線を描いていた
やわらかい海で溺死していたら
待ち侘びた春もいつの間にか
逃してしまって


後悔よりもただ無情のため息が出た
手のひらから零れお ....
おはなの香りは麻薬のようです


やっと離陸した春たちは
いっせいにビルから飛び降りて
女の子たちの透明な鱗に
好んで住まうらしい
ちょうちょが飛んでいくのを見て
銃に撃たれてしまわな ....
きみの輪郭がまだあわいときのこと
ぼくは涙をながしながらきみの詩を書いた
不器用なことしかできないから
瞼にうつるやわらかいきみの形とかそういうものを
一生懸命にことばにして紙にのこし ....
((ア、

した、明日/
あわく、中に いる(の
遊泳す/る、書物の朗読するなかに/かんたんに
数えられるように、丹念に形成され(て
アネモネの、一文字を、切り、取ります
ア、ア ....
離陸し続けることが唇のためになるんだよと
伝達された日の午後にみんな消えました
あれは号令だったんです、滑空


退廃なら
ぶっ壊してこい


{引用=
--もうじき-嵐が--るの ....
コンクリート、コンクリート、コンクリート

僕は鋼鉄に文学される

赤い月だけを飲み込んで

アリスの目玉になっていた。

(退屈を溶かして脱ぎ捨てたシャツは

都市を氷河期に陥れ ....
またきたね、匂う夏が、
むせかえる、草叢のにおいのなかで、
ぼくらは、呼吸をする

過剰な、色彩の、
この、感情の、渦に、巻かれ、
色をもたない、ぼくらは、
草色に、染められてく

てのひらの汗で湿っ ....
気が狂っている
音声で表示されていく地図たち
がひろがってみんなしねばいい
信号待ちから動き始めた列を追っかけてくろくながくブレーキの
ながくのびながらまっすぐ中央分離帯にむかってく痕 ....
さみしかったんだ
ほとんど狼みたいに毛羽立った孤独を
ずっと人の死角にかくして



宇宙に旅立ったアホウドリの飛行士の話。
最近、ようやくこの星に戻ってきた彼の話によると、
宇宙の中 ....
    あ    わい    ムー    ド
 
 き    みを    だ     くの

    あ    かい    ルー    ド

 し    みが    つ     くの

 ....
「えゝいままよ」


この一言で片付くならば


どんなに楽な事でせう



私の底無きカナシミは


一杯のココアなぞで落ち着く様子も無く


いづれ迎える刻迄の ....
あかるい空
カーテンをひいて{ルビ包=くる}まれて
そのどこかに羽根をみている
呼吸が彩度をわすれて
いつか廃れた街のようだった
足音は屋根をつたって
きみに会いにゆく
こ ....
ようやく朝がきているよ
そんな嘘で早起きをした
きみのなかはどうなってるんだろう


街中のプラスチック踏んづけて
はだしできみを追いかける
冷えたアスファルトとうらはらに
 ....
お風呂場にふった雨
バスタブに溜まった銀の雨
消えかけていたばらの芽が
音もたてずに開く とき


窓をすべる雨粒が
不機嫌な猫を起こしてしまって
引っかかれた夏空は
静かに笑って  ....
不遇、
と揶揄されようがそんなこと
とくに問題じゃないんだ
とにかく馬鹿な話が多すぎる
不条理なことが多すぎる
現実は
なんだってんだ
順列をもっとよく把握してくれ
もっと本気でやって ....
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