まずは自由に作品を読んでください。

◆◇◆


『Pooh on the Hill。』 田中宏輔


narrata refero.
私は語られたることを再び語る。
  ....
うつくしい人の想像をこえた
あなたのかかえているもの
すべては朝だった

*

きもちいいくらいの遠心力で
渡り鳥は群れていて
ふゆ、なんてたった一言で
言っていいことと悪いことがあ ....
空に向かって高く

超合金製の蟻の巣が

渦巻き状に伸びている

無機質でのっぺらぼうの蟻の巣も

夜になれば

綺麗に画一化された部屋には

優しい灯りが点り

街を照ら ....
{画像=120429092044.jpg}



言(コトバ)が
剥がされている
という状況
あり方
それに対する思い
惜別ではなく
決別ではなく
哀悼ではなく
非難でもなく ....
彼はハトムネを二羽飼っています

以前彼はハトの形をした
クッキーを作る工場で働いていました
或る日彼は眠くてたまらずたまらず
たくさんのハトの形をしたクッキーが流れる
ベルトコンベアーに ....
あらしの夜は
あついお湯と
指を五本ずつもちよって

がたがた言うガラスにまもられながら
解体した

そとは
だんだんしずかになって
わたしたちも
きちんとばらばらになる

 ....
そらが高い日は
目は
あかるく乾いていた

とりかえしのつかない世界で

それは
神様みたいに
あかるく乾いていた
  耳をすますときは
  手と足が
  とまる


  だれにしたって表情が凝固して
  仮面になる
  手配写真のようにだ


  音がするほうに
  むける
  ....
この眩しい青空と比較してみる
かもめを探す
敢えて口にしない哀しみ

沖に流されては潮/騒
に引き戻され
わたしには縺れあう術がない
風またつよく、 荒い波
そして、
一 ....
風の吹き抜ける交差点で
あなたは待つ

約束は必ず果たされると信じて

ひたすら待つ
待ち続ける

そして見上げれば雲

春の雲

おぼろげで奥ゆかしくありながら
したたかさ ....
まだ幼い頃
家族で夜の海へ
泳ぎに出たのだろう
若い夏草のような
家族で
私は玩具のように
小さな浅黒い生き物
だった

海もまた
生き物だと
生々しく感じたのも
それが初めて ....
今ごろ何しているのかな

きっと趣味のデジイチを首から提げて
お気に入りの被写体を求め
谷根千あたりを自転車で走り回っているのかも

そんな感じに好きなひとを想ってみる

なんか幸せな ....
片方が
不在のときは
レベル上げ
二人そろって
いざボス戦へ

見たいけど
見てはいけない
きまりごと
二人でがまんの
攻略サイト

夜も更け
腹ごしらえに
ラーメン屋
 ....
わたしは愛したい
あなたの優しさ
わたしは愛したい
あなたの眼差し
わたしは愛したい
あなたの存在

猫である
愛である

 


ファミレスの窓側席で神事を語る

日 ....
一羽の鳩が飛んでいた
わたしの乗る列車を追いかけるように

無機質な四角い窓枠のなか
黒いコートの肩越しに
羽ばたき続ける
白い鳩の





線路を渡る架線を巧みに避けて ....
前に倣って
ころんだらおわり
鬼がさしだした飴だま
三角はとどまり
はじまらない川の舌根
視座の痛点をかみ
まばたきした脳をころす
薄く張ったハム
お前には娯楽をやる
アルゴルを回遊 ....
そういえば、
今日は、エルヴィスプレスリーの誕生日である。
そうゆうめでたい日に、
ぼくは、彼女と、
彼女の両親と、
ぼくの両親とで、
結納を行った。

結納なんて、
ぜんぜんわから ....
濁音がいけないと思うんだ。
試しにコキフリって呼んでみて。
コキフリって。
海豚の背に乗つてゐるのはありやなんだ


海豚を視姦せよと神の啓示


冬の虹途切れ途切れの殺意かな


理知的なナマコの眼が選り好みしてゐる


象牙欲しいなと子どもがねだり ....
まぶしさがいずこからかやってくる
湖面は揺れ 
私は浮かび上がろうともせず
かといって沈み込むこともなく
散り散りとなった魚たちの肉片を
生臭い目で受け止める

巣の中で縮こまる小鳥のよ ....
やぶ【×藪】
草木や竹が生い茂っている所。

へび【蛇】
《「へみ」の音変化》有鱗目ヘビ亜目の爬虫類の総称。

やぶ-へび【×藪蛇】
《「藪をつついて蛇を出す」から》よけいなことをして、 ....
たよりない軸をつかんでわらってた 人工衛星みたいに遠くで



罵倒してもよかったんだよ ボディソープの淡い匂いのぬけがらを抱く



かみさまの代わりにネオンの消えた街へ ....
路地裏を抜けるとそこは黄昏の国


鮭の半身が海へ帰りたがつてゐる


今しがた刺身が自殺したと云ふ


亀を何匹積まれても此処は売らん


傷痕に潜むバクテリアいちや ....
素粒子の海で、分解されたままの、不確定の、私達という、名の、洗われた、ものたちが、今、優しい、数式で、拾われて、わられていく、言葉たちは、ちりぢりになって、目にみえない、わたしとあなたは、いくつもの素 ....   僕らがコンビニと呼んでいる
  長細い直方体には
  どんなものでも揃っている
  弁当もポテトチップスも
  洗剤や電池や、ティッシュまで
  だから僕がその日
  その、冬 ....
約束が月に照らされ輝いた一筆書きの「未来」が揺れる

映画より羽ばたく日々を好む君大きな幹に凭れて過ごす

一人から二人になった私たち自宅の電話番号同じ

午後四時に狙ったように雨が ....
どこかで誰かが泣いていた

悲しくて
それとも恋しくて




悲しさに理由なんていらないけど
流した涙はしょっぱくて
それでいて仄かな甘さなんて感じてしまう

なぜって
 ....
ひとを愛せなくなったと
あなたは嘆き

はなから愛なんてなかったのにと
わたしは呟いた




大切なのは感動なのかな

与えて
与えられて

生まれたての感動はぷるんと ....
わが妻の命令口調なメモ書きがそこら中でまぶしく光る


みどり児と束の間耽るE.T.のごつこ遊びは色鮮やかで
{画像=110927215321.jpg}


(扉絵:雨傘をさしてニッコリ笑うボクのアップ)

(絵?:雨傘をさして飛び出して行くボク。地面には大きな水溜り。)


雨降り
お迎え ....
佐藤真夏さんのおすすめリスト(338)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【HHM(第6回批評祭)参加作品】田中宏輔はクマのプーさんの ...- こひもと ...散文(批評 ...16*13-1-19
立冬- ことこ自由詩14*12-8-4
蟻の巣- 灰泥軽茶自由詩11*12-5-25
剥がされる言葉達へ- beebee自由詩21*12-4-29
ハトムネの胸騒ぎ- 灰泥軽茶自由詩11*12-4-16
解体- はるな自由詩512-4-4
神様- はるな自由詩312-4-4
たまの春- 石川敬大自由詩27*12-3-11
忘日- アラガイ ...自由詩20*12-3-11
Crosswind/Crossroad(契りのひと)- 恋月 ぴ ...自由詩29+*12-3-5
黒い海- 真山義一 ...自由詩40*12-2-17
優しいひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*12-1-30
ロールプレイングな二人- 日野短歌2*12-1-16
Spotted_water(豊穣のひと)- 恋月 ぴ ...自由詩22*12-1-16
Bird_strike(車窓のひと)- 恋月 ぴ ...自由詩30*12-1-9
占い(連想による)- 野中奈都自由詩812-1-9
結納にて- はだいろ自由詩612-1-8
写真を見てひとことvol.21- 花形新次携帯写真+ ...3*12-1-7
狐の嫁入り- 冬野 凪川柳3+*12-1-6
氷雪の灯火- within自由詩12*12-1-6
どっこいしょ- 乾 加津 ...自由詩15*11-12-26
アンチ・ハッピー- しろいろ短歌10*11-12-3
人魚のミルク- 冬野 凪川柳6*11-12-3
祈り(連詩)- ことこ自由詩6*11-11-26
堕胎- 草野春心自由詩14*11-11-14
一筆書き- 夏川ゆう短歌111-11-14
秋空のひと- 恋月 ぴ ...自由詩2811-11-14
願うひと- 恋月 ぴ ...自由詩2511-10-24
日常の1コマ- 冬野 凪短歌2*11-10-24
雨降蝙蝠傘/想像絵本- beebee自由詩17*11-9-27

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12