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正月中の 夜行列車は満席
故郷から 帰郷帰りの人々
暗い駅から ひとり
座れないので
戸口のすぐ前に陣どる
会社は あさってから
荷物はひとつ
一晩中 立つのか
....
ふき消して
かんづめの
まるいぎざぎざ に
暗闇 うつす
切り続け やめた場所
ぱくりと 走り去った
鈍い 刃
なんだって
かまわない
元気かときかれれば
元気だ ....
まわる杖のなぞる
たりない 言葉
目には まだ
うつらない
誰に 誰を重ねる
どこにも いない
今は まだ
膝についた土の足影
太陽で溶かした黒印
混じらない遠吠えに
砕かれる夜霧の血脈
降りていく杖の焜炉
縮んだ石からり炒り
潰した靴直して履く
立てるならまだ歩く
かや かや かや
しなの ほの なき
かな かな かな
つれた つもり の そそらの はなお
ひせの くら ふき
さや さや さや
小学一年生の春
友達と下校途中に
桑の実があった
ちょっと とって食べる
紫色が手につく
親に叱られると思い
道路の横を流れてた川で 手を洗う
と ランドセルが首に 落ちて
重みで ....
ちいちゃな芽をぶつぶつと
たくさん出してた 春
嫁いだのに
お前の担当だなどと
親に 言われ
私に 実を選られた 桃
収穫の時を迎え
みためにも 柔らかく 香ばしい
台 ....
虹を ばらばら に します
少し きららん を ふって
指の隙間から 消えていこうとした
お祭 の 花火 で
かりん かりん
心持ち 軽く いためます
虹は い ....
敷かれて行く なごり葉
ほつれた 眼線 が吹く
いつとも いわない
いつかも しれない
点けられた なつ
すすき の 香り に
消されてく
十重 の 隙間 に
刷か ....
手にさげた 月のふきだまり
つめ といだ 草のさざなみ
石の望み
動かない 空と
ながれはじめた 雲
ゆく 決別 の 時
あまった あかり で
つくった おにぎりは
ちいさくて
ぽろぽろ
つめたくても
でも
だれ
すこしだけ でも
おいしいよ
千本 の 針を
つないだ 蒔絵
朝焼け に溶け出す
真っ暗 な朝
骨 の 隙間に宿る
鈴 の 声
つながれて
つながって
心 に まみれた
火傷 のよう ....
まつげ の隙間
に からから
閉じた 指
そっと 痛いくらい ひろげて
輝く どんな 言葉 よりも
たゆとう どんな 海よりも
この 指 の谷間 に吹く 風よ
....
ふうわり 心地よい うたは
ふと めをつむり 眠くなり
つらぬくような つらい詩は
ぼろぼろ 泣けて 目が霞む
胸のあたり に くすくすと
笑える詩 には 逆らえない
....
木々から 溶けていく
生命線 の から傘
涼しげ な 場所で
やけている 氷は
春 のすべてを 呪い
遙 だけに 往きたくて
のばされた風に 溶けて
みつめる ....
夜 が 鳴る
切れた 窓辺
背いた 天井
見知らぬ 幸
消えた 願い
夜 が 立つ
誰 を 救う
誰 が 救う
誰 に 救う
外 に 写る
夜 の 髑髏 ....
あのね もう
いけないと おもったの
だって どろだらけで
おひざ も いたいの
こんな きたなくなったら
あそんでくれないと おもったの
でもね どうしたのって
....
ふせじ の なかの
ながい ゆめ
とんとん どうにか
すすけてく
ならくのそら は
しらせぬ いろで
ここやら どこやら
さき ゆれる
わたらせ まい よ
と ....
もう 遠くに 届いて
行ってしまいました
誰の後を追って
なだめても
すましても
輝けない かぐわしさ
ぽつ ぽつ ぽつり
とおく とおく まもなく
いっ ....
とじかけた そら
あなた は いく
どこか へ ながれ て
だれ も いなく なり
どこ も
いつ も
さかせ て いつか
あなた は
ゆく
ほそい みどり の
うすい あし
こそり すみ に
より あって
どなた でしょうか
で きっと ね
つと つと そうっ と
すき に いく
だけど かた ....
背 に 迎える
宙 の 蔦
絡み
吊る
しろく 月 回り
てて の 無邪気な
微苦熱 に
じりり
途絶えていく
桜前線 が来て
花見客
そして
砂漠
ぎっしり 携帯した
迷彩服
の 中に 人
ほおばる 春
つづく 虐殺
信じてなんか いられない
みじめな 幸福 ....
昨日のコーヒーカップと
今日のコーヒーカップと
うわ のそら
明るい 色に染めた髪
みせられない から
束ねた
地図 を書いて ゆく
春 の 息吹
....
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